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DANZEN さんの日記
2006
10月
27
(金)
22:20
本文
たまには真面目に書かないといけませんよ! パート2です。
米軍は新兵に対して人殺しに慣れさせる訓練を行い、こうした訓練の結果、敵を人とも思わず、敵兵も捕虜も非戦闘員も見境なく殺す殺人マシーンのような兵士が生み出されている。。。
ただ、そういう行為をした結果、後悔の念に嘖まれたり(さいなまれたり)、PTSDとなったりと非常に大きな後遺症を残すのでありますが。
さて、その訓練法とは如何なるモノか。
もちろん以下に書くことをすればすぐにそうなるというわけではありませんよ。
あくまでひとつの要素です。
「脱感作」と「条件付け」と「否認防衛機制」の3つの訓練が有効とされています。
まず「脱感作」。
感受性の軽減や除去ということのようです。
「殺せ!殺せ!」と絶叫させたり、殺人を賛美する言葉や敵を侮蔑する言葉を絶叫させながら走り続けるような訓練。
次に「条件付け」
第二次大戦までの射撃訓練は、単なる丸形の標的を狙いを定めて撃つというものでした。この標的を単純な人型に変え、物陰から差し出したところを撃たせるという実戦的な訓練に変更したんですね。そうすると前回記したように、戦場で敵兵を撃つことができる兵士の数が格段に上昇したというんですね。
最後の「否認防衛機制」
兵士は殺人のプロセスを繰り返し練習することで、戦闘で実際に人を殺しても「自分はいつもの標的ととらえただけだ」と思いこむことができるようになるそうです。
人殺しの罪悪を感じなくなってしまうのです。
米軍流の訓練を受けた英兵は、フォークランド紛争から帰還後、「敵は第二型(人型)標的としか思えなかった」と証言しています。
2つ目に挙げた「条件付け」の所では
模擬弾で実際に撃ち合う訓練やCG映像を使ったシューティング・ゲーム型のシミュレーション訓練なども実施されているようです。そしてそれが非常に有効なのだそうです。
それだけでなく、「オペラント条件付け」訓練も取り入れているという。人間に似せた標的を使った射撃訓練で、成績が良ければ報償や休暇などを与え、撃ちそこなった兵士は、訓練を終了させないとか、上官や同僚から非難や嘲笑を受けるなど罰を与える。こうした訓練を繰り返し実施すると、兵士は確実に標的を撃とうと「オペラント条件付け」されていくという。
どうですか?
怖くないですか?
この本の最後に書いてあるんですが、テレビゲームってこの訓練に最適じゃないですか?
丸型を人型にするだけで飛躍的な発砲率の向上が見られる。
今のテレビゲームって人型じゃないですよ。
限りなく人に近いですよ。
可愛い女性キャラなんか出てきた日には、DANZEN、画面に釘付け、目はドライアイ、頭の中は如何にしてデートに誘おうかという作戦で一杯です。。。すいません。
それくらいリアルだということです。
そのリアルな対象を「撃ち殺せ!」とゲームの中で叫びながら大量殺戮(さつりく)を繰り返す。
そしてその事に対してゲーム内で賞賛される。それはプレイヤーにとっては快感だから、またゲームを繰り返すのです。
アメリカでは銃が身近にありますね。
そして学校内で発砲事件が起こっていますね。
子どもが発砲したと思えない事例があるようですよ。
それは、たった一発で仕留めること。
普通の人間は、常軌を逸して銃で人を殺め(あやめ)たとき、パニックになるのか、完全にとどめを刺そうとするのか、その辺は分かりませんが、数発のタマを発射するそうです。訓練を受けた兵士でもそうなのです。この本には多数の兵士の証言が出てきます。心に深い傷を負ったベトナム帰還兵の証言です。
「私はぎょっとして凍りついた。
相手はほんの子供だったんだ。たぶん12から14ってとこだろう。
振り向いて私に気づくとだしぬけに全身を反転させてオートマチック銃を向けてきた。
私は引金をひいた。
20発ぜんぶたたき込んだ。
子供はそのまま倒れ、私は銃を取り落とし、声をあげて泣いた。」
それが、アメリカの子ども達が起こす事件では急所に1発。
そういう事例が増えているそうですよ。
条件付けが為されるための条件というのもあるようですから、短絡(たんらく)的にゲーム批判をするつもりはありません。
しかし、気になりますよね。
この本は、端(はた)から見れば、敵同士相対してどちらかが殺されるんだろうという場面になった時でも、普通の人間というモノはやるかやられるかの状況に陥ることはないのだ、と教えてくれます。
どういうことか。
まず「殺さずに如何にして相手に諦めさせるか」に腐心(ふしん)し
それでダメなら「自分が殺されるくらいなら相手を殺す」のではなく
「自分が諦める」道を選択するのだそうです。
人間っていいなぁ。
そう思います。
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