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dai さんの日記

 
2023
4月 30
(日)
12:47
トップの本棚―満天星の咲くころ3年ぶり
本文



ライスシャワー碑に大行列ができている春の盾の日、残念ながら入場券は抽選に漏れた。落ち着いたらゆっくり手を合わせに訪れよう。馬頭観音とのあいだにあった満天星(読み方は記事終盤で、注1)の植え込み、今もあるのかな。



『米澤穂信と古典部』 角川書店


『氷菓』は2001年初出、米澤穂信の代表作でもあり、デビュー作でもある。

主人公の折木奉太郎が探偵役、同級生で古典部部長の千反田えるが好奇心を持って事件を探偵に持ち込む依頼人、ついで読者に近い立場で普通の見方を提示してくれる井原摩耶花、主人公のパートナーいわばワトソン役となる福部里志。
以上の面々が日常の謎を解き明かしてゆく「ヒトの死なないミステリー」である。

古典部は県立神山高校に古くからある文化部だが彼らが入学するとき部員はゼロになっていた。古典部では文化祭に合わせて文集「氷菓」を発行するのだが、彼ら4人はそのルーツに興味を持ち探りはじめる。

シリーズは文庫で6冊を数え、本書によると筆者の米澤は、「古典部シリーズ」を完結まで書き続けるつもりだという。

以前本棚にあった『氷菓』に興味を持ち持って帰って読んだ中1さん(その後膳所高校に進学)は、少し難解だったという感想をくれた。たしかに。

ぱらっと本を開いてみよう。古典部の4人が千反田家に集まって33年前に古典部で起きた事件についてのなぞ解きをするシーンである。

見開き2ページの間に、5つも四字熟語が出てくる(文庫p158-159)。
「執行猶予」「牽強付会」「生真面目」「五里霧中」「隔靴掻痒」
ほかにも「反駁の緊張感」「足が痺れかけた」「頷く」「くちびるを尖らせる」など。

大丈夫、全部フリガナは打ってある(そういう問題ではない)。


さて、『米澤穂信と古典部』では、古典部の4人の本棚を紹介していて、これがなかなか興味深い。本棚の本たちというのは、その人となりを表す自己紹介のようなものだからだ。

たとえば千反田えるの本棚には、『オズの魔法使い』(フランク・ボーム/岩波少年文庫)、『西の魔女が死んだ』(梨木香歩/新潮文庫)とともに、『モモ』(ミヒャエル・エンデ/岩波少年文庫)が並んでいる。


そうだ、授業の時間だ。(「そうだ、京都へ行こう」風に)

6Z国語で、最近読んで面白かった本を教えて、と水を向けたところ、先ほどの『モモ』や、『サースキの笛がきこえる』(エイローズ・マッグロウ/偕成社)、
『香君 西から来た少女』(上橋菜穂子/文藝春秋)

などが挙がった。

小学校高学年くらいで、こういう上質のファンタジーに自然と触れられているのはいいことよな。そりゃ実力テストの国語の成績もふつうに出るよ(なお、4月度は全員90点以上)。

あ、だからといって国語の成績をあげたかったら読書をしろとかいうつもりは微塵もないので誤解のないように。

当クラスでは先日、言語事項として「熟字訓」をやった。「七夕」とか「眼鏡」とか「下手」とかだと余裕そう(いずれも小学校配当)なので、「相撲」とか「為替」とか「時雨」とか、さらには「桟敷」とか「山車」とか「出汁」とか「祝詞」とか「玄人」とか。

あっという間に時間が過ぎ、「これ楽しい、もっとやりたい」という感想を貰ったので、そりゃよかったね、と。

翌週、植物をやってみた。漢字テストのフォーマットで20問テストにしてみたのだ。
「満天星」(ドウダン)はさすがに知らなかったが、春の七草と話題を振りつつ「菘」(スズナ)、「蘿蔔」(スズシロ)なら判った子がいた。すごいなビズr(まちがえた)。

あとで「清少納言」(図形パズル)を授業前にやっていて気づいたのだが、「杜若」(カキツバタ、「清少納言」のお題に出てきた)、「菖蒲」(ショウブ)、「菖蒲」(アヤメ、ショウブとおんなじ字!)を入れとけばよかった。失敗した~


それでは今日は、このへんで。



注1:ちょうど春天の頃に小さな白い花を、まるで満天の星空のように咲かせる。もっとも、今年はピークが早かったかもしれない(桜も早かったし)。




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