プログラミング教室

プログラミング教室へ

ゲストメニュー
ログイン

ユーザー名:


パスワード:




SSL
パスワード紛失
TIME

 

@

TOP  >  TOPブログ  >  dai  >  つれづれ  >  daiの問題研究Vol.14―円錐の表面積

dai さんの日記

[2022-1] 
 
2022
1月 30
(日)
15:17
daiの問題研究Vol.14―円錐の表面積
前の日記 カテゴリー  つれづれ
本文


私立高校入試直前の土曜日昼下がり、直前講座用問題の編集なんぞしつつ、教室の一番後ろの席で中3生の自習を見守っていた。2か所の窓と廊下の上の窓を少し開けて空気の通り道を作り、後ろではサーキュレーター、前は加湿器を稼働させての感染対策。席間は1.5mほど離してある。そもそも私への質問以外基本発話しないので飛沫感染のリスクは小さい。


自習に来てた子の質問(満州事変の経緯と、国際連盟からの日本の脱退についてだったと思う)をきっかけにして、「ネットで調べ物をすることの便利さと危険性について」少し話をした。なぜかそのあと円錐の表面積の話へ(別の誰かが質問したんだっけ)。

わい「今から円錐の表面積について確認事項を話すから、そのへんに不安のある人はちょっと聞いといて。」

わい「表面積を考えるときの基本は展開図を書くことやね。円錐は側面がおうぎ形になるから…。」

わい「公式は覚えとくに越したことないけど、忘れたら基本に戻って考えるんやで。」

以下、

「円周率の定義(おととし膳所特色で出てたやつ!)」

「円の面積がなぜπr²になるのか(なお、「数字であそぼ 1巻」を参照)」

「同じ考えで、おうぎ形の面積は(半径)×(弧長)×1/2と出せる。」

「円錐の表面積を出すのにいちいち中心角はいらないが、出す必要があればそのおうぎ形が円の「何分のいくつか」考えれば足りる。」


といった内容で15分程度のプチ授業(基本の確認)を展開するなど。


えっ?演習を挟んだわけでもないのに話長すぎ?

ああ、Youtubeに転がっている授業動画は玉石混交(だいぶオブラートに包んだ表現)だという話をしたのだった。

「はいっ、円錐の表面積は、次の裏ワザを覚えておくと簡単だよ。(半径)×(母線)×π、これでテストもばっちりだね。じゃあ、やってみよう(底面の半径が3、母線の長さが5の円錐が画面に現れる)。」(とある学習塾が出している無料ゴミ授業動画を意識して実演。実はこの時、意識していた授業動画の実物(円錐の表面積のところ)は見たことが無かった)

生徒の一人「あ~、たしかに言ってそう。」


裏ワザをうろ覚えしていると、たとえば次のような問題でやらかす。

どこかの私立入試問題「底面の半径1、高さ2の円錐があるとき、側面積を求めなさい」
うろ覚えの受験生「1×2×πで2π(ドヤァ)」
(ダメだこりゃ)


家に帰ってから、そういや円錐の表面積って実際どんな感じなんやろう、と再生回数の多いところを中心に何軒か訪ねてみた。やはり、そのうち8割は教育効果という点でゴミ(それならまだ裏技だけ紹介してくれた方がまし。典型問題で正解が出せる以上の効果は皆無だろうけど)。
とくに、昼間こんな授業やってそう、と言ったところは想像を絶する酷さだった(もちろん、全世界に向けてどこがどうとか、この場で発信する気はさらさらない。塾生にはこっそり教えるけどね)。


どんな点が酷いのか、思うところを述べる。

・いちいち弧の長さがわかっている展開図のおうぎ形の面積を、中心角を含む面積の公式に当てはめて(注1)出そうとしている点。

・その中心角を、わざわざ方程式を立てて求めようとしている点。

これ、簡単かつ本質的なこと(おうぎ形は円の一部分)をすっとばして、かえってややこしくして教えてるんよね。

弧の長さと半径がわかっていれば、おうぎ形の面積はそれこそ「簡単に」求められるし、そのことは中1の検定教科書に太字で「S=1/2×lr」って載っているが、そこをスルーかいっ!

なお、まともなところ(個人の感想です)はいわゆる「裏技」を面白おかしく、あるいはシンプルに伝えた後、それを証明したり、基本から考える必要性をフォローしていたりしていた。
再生回数が命のYoutubeだろうから、最初に目を引く「裏技」を持って来るのはしゃあないよね。

塾の授業では、教育効果を重視し先に基本(但し中心角をいちいち出したりしない)を教えて数問演習させてから、「実はね」って言うけどね。

(いや、手の内を明かすと、基本通りやってもらってから「なんか面白いことに気づかへん?気づいた人は後でこっそり教えて」って水を向け、その場では教えない。)


おお、すっかり話が長くなってしまった。では、今日はこのへんで。




注1:生徒が自分で考えてそのように出したのなら「よく考えたね、偉いね」ってほめるけど、指導者がそれではまずい。百歩譲って中心角が必要だとしても、「円の何分のいくつになるか」って見せてあげれば済む話で、それはおうぎ形を学習するときに、さんざんやっているはず。
あ、わかった。おうぎ形の授業のときには、「おうぎ形の面積の公式を与えて、それにあてはめて答えが出たらOK。」って教えて、生徒を思考停止させているんやね(名推理)。

閲覧(1944)
コメントを書く
コメントを書くにはログインが必要です。