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TOP  >  TOPブログ  >  dai  >  日常  >  トップの本棚―「はじき」の功罪

dai さんの日記

[2020-5] 
 
2020
5月 29
(金)
18:25
トップの本棚―「はじき」の功罪
前の日記 カテゴリー  日常
本文
昔(私がトップに勤める前)の教え子の話で恐縮だが、○山高校と○山高校(2校挙げると伏せ字の意味が全くない)から高卒で国家公務員として就職した子を教えていたことがある。それぞれ裁判所の職員と、検察事務官になった。まわりの多くの人がそろそろ受験勉強をしやんとな(注1)、とか言っている中、もくもくと公務員試験(注2)の勉強をしていたのである。自分の足元と将来を見据えた上での選択であり、なかなかに親孝行なことだなあ、と思う。



『ほとんど憲法』  木村草太 著  朝倉世界一 絵  河出書房新社  


公務員試験を受けるうえで避けられないのが、憲法である。憲法を勉強しないことには始まらないと言っても過言ではない。

本書はサブタイトルが「小学生からの憲法入門」とあるように、小学生新聞に連載されていたエッセイがまとめられた1冊である。大体小学校の生活シーン(給食とか遠足とか夏休みとか)から書き出されて、憲法のトピックに着地する構成で書かれている。大体1篇が1000字程度なので、なかなか強引に憲法の話に持っていっていることも多い。そういう意味でこのブログを書いている私としては、とても親しみがわく。

なお、小学生向きということだが、書かれている内容は大学の一般教養で扱っても良いレベルの話題(教養の「日本国憲法」は教職をとるにも必要ですよね)になっている回(「合理性の基準」「パターナリズムと自由」など)もちょいちょいあって、大人の学び直しにもちょうどよいかも。



さて授業の時間。


中3公民は基本的人権の2回目、前回授業で学習した精神的自由権を今一度おさらいしついでに憲法判例にも触れ(暴走族排除条例と「集会の自由」、10年あまり前に最高裁までいったやつだ)その流れで違憲立法審査権の話をし、それから平等権の実現例をまとめた。東京書籍p44〜p70(注3)を2時間で通過しようというのはちょっと乱暴だ。あと1回、参政権の位置づけと新しい人権について述べ、憲法の人権規定をきちんと整理してから統治機構に進むことにしよう。


ここ数日私のSNSで上がっている話題に、「算数の文章題の解き方」「はじきの功罪」がある。

なるほど私たちが中学受験の時代だった昭和末期から見て、文章題の解き方というのはえらく高度に類型化、パターン化されている。で、灘とか目指すような子が集まる受験塾の最上位クラスには、それらのパターンを覚えて問題を解きまくった結果、模擬テストやクラス分けテストの成績は上位と言う子がいる。しかしそういう子は受験本番になると灘はおろか東大寺にすら箸にも棒にも引っかからない。これらの中学入試では、パターンマッチングだけで自分の頭で考える訓練をおろそかにしてきた子をなるべくふるいにかけられるように練られているのである。

「はじき」(はやさ、じかん、きょり)というのがある。地方によってその表記の仕方は「きはじ」「みはじ」などと若干異なるが、とにかくこれさえあれば速さの三公式がいっぺんに把握でき、速さ関連の問題がほとんど何も考えなくても解けてします便利グッズである(断わっておくが皮肉である)。

そもそも速さの三公式ってなんやねん。「速さとは単位時間にすすむ距離のことである」(子どもの年齢に応じて言い方は若干変える)という定義だけでよくないか。

ともかく「はじき」だけ知っていて何も考えずに(=賢くなるどころか、頭が悪くなる)ワードマッチング(注4)というのがまずい。そして何も分かってないまま点数だけとれて、出来たということにされて先へ進む。すると中学、高校の理科・数学において、早かれ遅かれどこかで行き詰ってしまうのである。

ふりかえって我が栗東中2数学、文章題が佳境に入ってきた。パターンマッチングでお茶を濁すことなく、単位当たり量、速さ、割合、比例などの概念をたたき込んで、賢くなっていってもらう。



注1:一般的に、ふつうの公立進学校()高三生が部活引退後に受験勉強を始めても、残念ながら関関同立、京阪神市府大滋賀大などには間に合わないことが多い。勉強の絶対量が足りないのである。
注2:ちなみに今年の国家公務員事務職(高卒以上)の試験は9月5日(日)。
注3:草津市、栗東市で採用されている公民の教科書。
注4:文章題の特定の文字、単語に注目して機械的に計算式に当てはめてゆくやり方。

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