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dai さんの日記

 
2018
9月 11
(火)
16:03
本文
『夕映え天使』  浅田次郎  新潮文庫 

「この日が必ず来ることはわかっていた。」

浅田次郎の珠玉の短篇集『夕映え天使』の中の一篇「特別な一日」の冒頭である。主人公はこの日定年退職を迎える60歳の「俺」である。その日を迎えた男の一日を淡々と描くものと思いきや…。

ネタバレは避ける。ただ「あの日」と「この日」には決定的な違いがある。「この日」は未読の読者を除き来ることはみんなわかっているのに対して、「あの日」は犯人を除けば誰も来ることを分かっていなかったからである。

あの年確か、私は司法試験の短答式試験に1点足りなくて落ちた。この先どうしようかと人生の道しるべを見失いかけてた時に「あの日」はやってきた。

「あの日」大学時代ロシア語とクラスが一緒だった友人のK君は、世界貿易センター北ビルの高層階にあるオフィスで、始業前のひと時新聞を読んでいたという。某S銀行のニューヨーク支店に配属されていたのである。

命からがら脱出した彼は、ビルが崩れ落ちた時結果的に安全な場所まで離れることができた。私は、そのことをあの日から3日後の新聞記事で知った。「あの日」はテレビの向こうの出来事ではなくすぐ近くに起きた事件である。

「あの日」から17年、あいかわらず世界は動き続けていて、「あの日」のことは中学校の歴史の教科書に載っている(栗東西中が使っている日文なら266ページ)。今の中3にとって「あの日」は、私にとっての大阪万博か、あるいはオイルショックのような、生まれるちょっと前にあった歴史的事件のひとつにすぎない。



ここで紹介した本は、私が中学生ぐらいの時に出会っていたら多分興味を持って読んだだろうなという本です。栗東草津校の入り口正面の本棚に並んでいます。塾生のみなさんはお迎え待ちの間に、あるいは少し早く来て(確認テストがあるしそんな余裕があるかどうかは別にして)、どうぞ手に取ってみてください。貸し出しも歓迎です。
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