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dai さんの日記
2026
8月
11
(火)
20:37
本文
東野圭吾先生の訃報に接し、はや2週間あまりが経った。いつまでも悲しみに浸って、ロスに引きずられていてはいけない。ガリレオの最新作も発売されたし、未読の作品もまだたくさんある。多分一生涯楽しめるだけの作品を残してくださったし、先生に影響を受けた作家さんも何人もいらっしゃる。
♪あの頃ずっと頭に描いた夢も大人になるほど時効になっていく
そんなことはなくて、たとえば理系の大学からエンジニアや研究職などを経て小説家を志した作家さんも少なからずいる。(注1)
伊与原さんもおそらくその一人なのだろう。何かのインタビューでそうおっしゃっていた。
『宙わたる教室』 伊与原 新 文春文庫
中1の子がこの本の表紙を見て本作のドラマを見たと教えてくれた。とてもよかったとのことだ。
定時制高校の理科の教師が主人公の連作短編。いろいろな境遇の生徒たちと理科の実験を通じてかかわりあっていく。感涙必至で、うかつに電車の中で読んではいけない小説だ。
それでは授業の時間だ。
「文字を二乗して何が楽しいの?」
とある数学ニガテ中3生さんの切実な声とともに、夏期講習は進んでゆく。
♪この目覆う藍二乗(this blur covering my eyes)(注2)
難しい因数分解や2次方程式を解くときに、アイデアとして持ってほしいことがいくつかあり、因数分解二周目となる中3生には、そのことを伝えた。
・なにがともあれ「共通因数」
・次数の少ない文字のある項ない項で「グループ分け」
・見えたら勝ち「和と差の積」
・意外な突破口「平方完成」
ここで、夏期講習で私の授業から扱った問題をいくつか紹介しておこう。
x²-32x-y²-8y+240 を因数分解せよ(立命館高校)
「和と差の積」が見えるからそれを(x+y)(x-y)にしたとて、残りの項を始末する方法がちょっと見当たらないかもしれない。
もちろん、(x+y+a)(x-y+b)の完成形を想定して、腕力で持っていくことは可能だ。
「因数分解は展開の逆」なのである。
そこで、x²-32xのところを平方完成して
(x-16)²-256と変形してみてはどうだろう。
-y²-8yのところも同様に
-(y+4)²+16とやってやるのだ。
いい感じに240が消えて、「和と差の積」が見えただろう。
ほらできた!
もう1問
x⁴-106x²+2025を因数分解せよ(灘高校)
こっちは掛けて2025、足して106となる2数を見つければよいだけ。
簡単である。
2025=3×3×3×3×5×5
ねっ?
ほらっ、106は3の倍数でもなければ、5の倍数でもないし。
中1から私の授業を聞いている人は一撃のはず。フフフ。
ところがどっこい、このクラスは全員中3からの受け持ち。
中1の時に素因数分解の授業で「910/1001を約分しなさい」みたいな問題に触れていないかもしれない(注3)。
「106は3の倍数でもなければ、5の倍数でもない」にピンとこないかも…
実はここでも、別解として「平方完成」から攻める、という手がある。
これなら「ひらめき」とか「センス」に関係なく、手順を知っていれば誰でもできるだろう。
つまり
(与式)=(x²-53)²-2809+2025
=(x²-53)²-784
=(x²-53+28)(x²-53-28)
=(x²-25)(x²-81)
=(x+5)(x-5)(x+9)(x-9)
♪人生は妥協の連続なんだ(反語)
皆さんもノートの片隅に好きな歌詞を書きとめたりしたことがありませんか?
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
それでは今日は、このへんで。
注1:東野圭吾、伊与原新、あとは「ハルチカ」シリーズの初野晴が好き。「本棚」にも何冊か置いてあるので、ぜひ!
注2:「藍二乗」(英題”blur”)/ヨルシカ
青いインクや青い空が涙でにじむ様子を描いているんだね。
注3:1001-910=91だから約分できるのなら1001も910も「91の約数」で割れるはず…って910はあからさまに91の倍数だ。
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