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dai さんの日記

 
2025
11月 7
(金)
22:29
トップの本棚―飽和食塩鮭
本文


誰だ、「飽和食塩鮭」と書いて「いぶりがっこ」とルビを振ったのは?

物価、とりわけ食料品の物価が上がり続けているが、授業単価はビタ1文上がっていない。したがって我が家のエンゲル係数はうなぎのぼりなのだが、だからといって食べないというわけにもいかない。


すると、ほんのちょっとのおかずでご飯が進みちらかす「ご飯のお供」はたいへん重宝するが、今度は血圧が心配である。

「じゃあ、あんたのご飯を減らしたらええやん」

正論過ぎてぐうの音も出ない。



『マカロンはマカロン』  近藤史恵  創元推理文庫 


フランス料理の気取らないビストロ「BISTRO PAS MAL」を舞台に描かれる、日常の謎、あるいはお客さんとシェフの料理を通じた心の交流を描く、大好物な「人の死なないミステリ」。

8つの珠玉の短編が収録されている、三舟シェフシリーズの3作目(注1)。

物語中に出てくる料理がいちいち美味しそうで困る(困らない)。

1つ1つのお話は文庫だと30ページくらいで、すぐ読める。
お迎え待ちのあいだにでもどうぞ(持って帰って読むのも歓迎です)。


それでは、授業の時間だ。


中3国語では次の定期テストで、魯迅による名作短編、『故郷』からの出題となるところもあるだろう。
「私」が「ルントウ(閏土)」と出会ったのは「三十年近い昔」のことで、二人はすぐに意気投合する。ルントウの名は「閏月の生まれで五行の「土」が欠けている」ことから父親がつけたというくだりがある。

たぶん授業ではスルーされていると思うし、そもそも説明されたところで、という気もするのだが、「閏月(うるうづき)」とはいったい何なのだろうか。

この点、理科の授業で閏月の存在をさらっとではあるが触れたことがあるので(いや、中3ではなく小学生のZクラスだったかもしれない)、ここで軽く要点をおさらいしておこう。

太陽暦では、地球が太陽の周りを公転するその周期を1年と定める。それは約365.24日なので、1年を365日としてカレンダーを作ると約4年で1日分ずれてしまう。

そこで4年に一度閏年を設けて1日のずれを調節する。
(なおそうすると約100年で今度は1日余計にずらすことになるので100の倍数の年は閏年を設けない。それでもまた僅かなずれが発生するから今度は400年に゙一度以下略)

それに対し、日本では明治5年まで、物語の舞台の中国では1912年まで月の満ち欠けを基準にした太陰暦を使っていた。

月の満ち欠けの周期は約29.5日であり、1年を12カ月とすると地球の公転周期とは11日程度のずれが生じる。そこで概ね3年に1回程度、同じ月を繰り返して1年を13カ月にして調節するのだ。

ここから先は細かすぎるし、ややこしすぎるので中高生の知識(古典なんかも含めて)としてはオーバーキルだろうから、興味のない方は読み飛ばしてもらえれば。

たとえば、2025年は「閏6月」が存在した。6月が2回来たわけである。したがって「中秋の名月」(旧暦8月15日)も例年に比べて随分遅く、10月6日だった(ちゃんと授業前に事務机でお団子食べてたでしょ。)

次の閏月は2028年5月である。今度は5月が2回あるということになる。閏月をどこに持ってくるかということについてはいくつかの考え方があるが、ここで説明するには余白が足りなすぎる(突然のフェルマー召喚)。

いや、書いているうちに次第にめんどくさくなってきただけ…



それでは今日は、このへんで。





注1:『タルト・タタンの夢』(初出2007)、『ヴァン・ショーをあなたに』(初出2008)に続く3作品目(2016年初出)



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