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dai さんの日記
2025
9月
26
(金)
22:06
本文
小5Z算数のテキストに、次のような問題が載っていた(うそです)。
よくある、「嘘つきは誰だ」というタイプの論理パズルである。
(以下引用)
超能力探偵のあなたは、殺人事件の現場である刀剣工房にやって来た。
被害者は鍛冶屋、黒田だ。
現場にいたのは三人、松本、小鳥遊、東である。
まず三人に話を聞くと、自分はやっていないの一点張りだった。
また、松本たちの証言は次の通りだ。
松本「俺は絶対に殺してない!信じてくれよ!」
小鳥遊「私も東さんも、決して犯人ではないです」
東「僕は犯人じゃない。松本と小鳥遊も違うよ」
あなたは、現場にいる噓つきの数がわかる超能力を使った。ここに嘘つきは一人だけいる。もちろん、あなたは嘘つきではない。
果たして、ふたりを殺した犯人は誰だろうか?
(引用終わり 注1)
6Zのみんなにも考えてもらったが、数分間ではさすがに解けなかったようだ。
なお、高校生のひとりはすぐ犯人がわかったみたい。
『数字であそぼ ③』 絹田村子 小学館
第12話 「俺達には数学しかない」では、上記のものよりも、はるかに難しい論理パズルが出てくる。「鴨川デルタの花見で、高級日本酒を持ち逃げしたのは誰だ」という問題である。
日本酒の瓶は、ほどなく見つかった。その瓶があった場所で花見をしていたのは、6人のおっさんたち、雀荘仲間である。
論理パズルであるから、数学科のいつメンはすぐに犯人を言い当てる。
思考過程も丁寧に示してある。
GH校の本棚に置いてあるので、塾終わりのお迎え待ちのあいだにでも、よかったら手に取って読んでみて。
それでは授業の時間だ。
高1数学、2学期は三角比である。直角三角形による定義から始めて、鈍角の三角比、正弦定理や余弦定理、三角比の利用(図形と計量)に進んでゆく。
正弦定理とは、
「三角形において辺と対角の正弦(sin)の比は等しく、その比の値は三角形の外接円の直径に等しい。」
というものである。
言葉だけで表現すると難しそうにみえるが、図を添えれば簡単である。
証明は円周角の定理を用いて簡単にできるだろう。
余弦定理(第二余弦定理)は、「三平方の定理の拡張」と認識しておくと簡単である。
授業では、証明をいくつかの方法で示したが、私のお気に入りは第一余弦定理から代数的に導出する方法である。
(証明)
第一余弦定理:a=bcosC+ccosB (注2) より
a²=a×a
=a(bcosC+ccosB)
=b×acosC+c×acosB
ここで第一項にはb=acosC+ccosA、
第二項にはc=acosB+bcosA
を用いて、
a²=b(b-ccosA)+c(c-bcosA)
= b²+c²-2bccosA
が得られる(証明終わり)。
そして、三角形の面積公式
S=absinC/2
は、「(底辺)×(高さ)/2」を言い換えただけのものである。
面積の公式としては「ヘロンの公式」も有名だが、汎用性に欠ける(三辺とも有理数でないと極めて使い辛い)ので、覚えておくかどうかは好みである。
一度くらいは自分で導出してみると、良い計算トレーニングになるだろう。
このまま円に内接する四角形の辺の長さと面積に関する「ブラーマグプタの公式」、さらには
これを一般化した「ブレ―とシュナイダーの公式」というキモい公式にも触れておきたいが、紙幅の関係でまたの機会に。
それでは今日は、このへんで。
注1:@serizawa_hinaさんのポストより。「注意力が必要な推理クイズです」とのこと。
原文は固有名詞にルビが振ってあるので、意外に気づきやすいかも。
犯人は三人(さんにん)である。
注2:第一余弦定理はマイナーだし、すぐ導出できるので覚えておく必要はない。
△ABCの頂点Aから辺BCに垂線AHを下せば、直ちに
a=BH+CH=bcosC+ccosB
が、見えるだろう。
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