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dai さんの日記

 
2023
7月 16
(日)
13:49
トップの本棚~some books to read 新潮文庫の100冊編
本文


一昨日(14日)栗東校に早く来ていた中3生に次の話題を投げてみた。

わい「きょう公開の映画知ってる?、なんかやたら眼光の鋭い青い髪の阿弥陀様が86分間延々と説教するらしいねんけど(君たちはどう往生するか)」

生徒「知ってます。事前にほとんど情報のないジブリの最新作ですよね。なんか鳥の絵のやつ…」

そこでネットで調べてみたところ、どうやら「君たちはどう生きるか」と宮崎駿が庵野秀明に延々説教垂れる映画らしい。しらんけど。(ネットリテラシーとわ)


閑話休題。読書の時間だ!

「夏休み」の声が聞こえてきた。出版各社がキャンペーンをやっている。

今日は「新潮文庫の100冊」から。


塾に置かせてもらっている私物の本棚(GH校、栗東校)に置いている本を駆け足で紹介しておこう。もっとあるような気がしていたが、文庫本ラックのキャパはせいぜい各150冊ほどだもんな。そりゃ、そんなもんか。


「恋する本」からは、

『か「」く「」し「」ご「」と「』 住野よる
クラスメイト5人が持っているそれぞれの秘密は知っているようで知らない。石山高校を舞台に実写化したら絵になりそう。


「シビレル本」からは

『ミッキーマウスの憂鬱』 松岡圭祐
夢の国で働く新人バイトの成長物語。まあ、バイトなんで実際そんなにキラキラしていない。

『儚い羊たちの祝宴』 米澤穂信
お嬢様の読書サークル「バベルの会」を巡る事件簿。米澤さんって女の子の登場人物に過酷な運命背負わせがち(個人の感想です)。


「考える本」からは

『暇と退屈の倫理学』 國分巧一朗
東大、京大で一番売れている本、とのことだが前半の歴史考察は一通り歴史を学んだ中学生でも大丈夫。人類の歴史、耕作より定住が先だったの?

『フェルマーの最終定理』 サイモン・シン
300年にわたり天才数学者たちが挑み、解き明かすことのできなかった謎。死屍累々の果てに広がった新しい景色。


「ヤバイ本」からは

『豆の上で眠る』 湊かなえ
そういや何年か前に、湊かなえが好きという小学生ちゃんに本書を紹介したことがあったか。妹だけが姉に持つ違和感。衝撃のラスト。

『鳥類学者 無謀にも恐竜を語る』 川上和人
「子ども科学電話相談」の鳥担当、川上先生の科学エッセイ。恐竜担当の小林快次先生とともに神回になりがち。

『向日葵の咲かない夏』 道尾秀介
小学4年の兄と、3歳の妹の夏の冒険の結末とは。衝撃的なラスト数ページで意味が分かると怖い話。小中学生には薦めません(フリじゃないぞ)。


「泣ける本」からは

『博士の愛した数式』 小川洋子
本屋大賞、始まったころはよかった。私にとって背番号28は中田良弘(1981-1994)、あるいは福原忍(1999-2013、なお現投手コーチ)。もちろん小川洋子さんにとっては江夏豊でしょうが(今回は6については触れません)

『西の魔女が死んだ』 梨木香歩
登校拒否になってしまった中1のまい、大好きなおばあちゃんから魔女の手ほどきを受ける。優しい空気に包まれた物語。

『月まで3キロ』 伊与原新
科学の知が傷ついた心をそっと温める、癒しと希望の物語。

『くちぶえ番長』 重松清
学習コース小3国語のテキストの中で、ダントツで続きが気になった物語。

『手のひらの京』 綿矢りさ
生まれも育ちも京都の女子は「いけず」か。大学時代のクラスメイトは二人ともそんなことなかったなあ。(「数字であそぼ」村田絹子も参照)

『夜のピクニック』 恩田陸
「体育系の行事が苦手な人は、本書で読書感想文を書くとよい」とは書評家三宅果歩さんの言。歩行祭をきっかけに、誰にも言えない秘密を清算すべく主人公は歩き続ける。


こうやってみると本棚は自己紹介だってよくわかる。「ヤバイ本」より「泣ける本」のほうが多いのが意外だった。

6Z国語で「新潮文庫の100冊」に触れたところ、ひとりが「これ読みたい」と言ったのは「シビレル本」のうちの1冊だった。ぜひ買ってもらって、夏休みにじっくり読んでほしい。

★「カドブン」(角川文庫)と「ナツイチ」(集英社文庫)は近日公開。


それでは今日は、このへんで。


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