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dai さんの日記
2022
10月
19
(水)
23:51
本文
それはね…
『ミライの授業』 瀧本哲史 講談社
高校生向け、土曜特別授業にて、要旨(A4で5枚程度)を回覧して、本書を紹介した。
なお、筆者の瀧本さんは、DANZEN先生や慶應の森君(注1)と生きていれば同い年の投資家で、亡くなる直前まで京都大学で教鞭をとられていた。
『ミライの授業』はそんな瀧本さんが2015年に全国の中学校を回って行った「特別講義」の内容をまとめたものである。講義のタイトルは「未来をつくる5つの法則」。未来を切り開いた有名無名の人たちのエピソードを紹介し、彼ら彼女らの半生から見える「未来をつくる法則」を提示したものである。
ガイダンス 君たちはなぜ学ぶのか?
ここでアイザック・ニュートンの人類の歴史を変えた「数学者」としての側面を紹介し、またニュートンのケンブリッジ大学における大先輩であるフランシス・ベーコンのキーワード「知は力なり」を挙げる。
「本気で未来をつくろうと思うなら、過去を知る必要がある。」
そこで「世界を変えた人たち」がどんな風に育ち、どんなことを考え、どんなことに疑問を抱いたか、そしてどんな壁にぶつかり、どうやって壁を突破したのか。
特別講義で取り上げた人物から、総勢20名について、そのエッセンスをまとめたのが本書である。
ガイダンスのタイトル通り、「なぜ勉強するのか」という疑問に対する一つの答えを明示する1冊となるだろう。
さて、授業の時間だ。
高1数学は約4回の授業で三角比を一通りマスターし、いよいよ三角関数に入る。
ポイントは「極力頭を使って丸暗記することを減らしなさい。」
たとえば有名角の三角比の値、こんなものは「マル書いてチョン」(単位円のこと)と指差し確認すれば秒で求められるのだからいちいち覚えなくてよろしい。
英語は「比較」構文に入った。テキストは解説をわずかに見開き2ページで終わらせているが、これから6回程度の講義と演習で丁寧に頭に染み込ませてゆく。
たとえば初回にやったnot so much A as B。文の構造から解き起こして、一目で意味が了解できるように練習してゆくのである。
高2数学は「ベクトルの内積の利用」。
2つのベクトルの成分を(a₁,a₂)、(b₁,b₂)とすると、内積はかんたんに、
a₁b₁+a₂b₂
と求められるがそれはなぜか。
また二つのベクトルの始点を合わせて三角形を作ればその面積が
1/2×|a₁b₂-a₂b₁|
と、求められるがそれはどうしてか。
こういったことを、前半60分の授業で各自導出してもらった。
同日の後半60分は「接線の方程式」、微分法の応用の一例である。
私から提示する問題や解説には、「今後への布石」や「次に学ぶ事項への伏線」が忍ばせてある。しんどいとは思うが出来るだけ休まずに参加してほしいものである。
英語は普段リスニングと英文解釈、たまに英作文の演習をひたすらやっているのだが、2年生も「比較」については文構造について少し詳細に講じて、出来るだけ構文のパターン暗記に頼らない英文解釈の方法を伝えたい。
6Z理科は少し足踏み。磁石に付く金属が鉄とニッケルとコバルトなんて記述を目にした後、子どもらが金属元素にやおら興味を持ち始めたから。テキストそっちのけで化学図録を引いたり、化学実験の動画を見たり。
こういうのが本来の意味での「ゆとり」よなぁ、などと思いつつ勉強を楽しんでいる。
勉強はしんどいだけ、苦しいだけのものという思い込みは、極力排除したい。
(頑張らなきゃいけない、めんどくさい側面があることを否定するわけではないが)
それでは今日はこの辺で。
注1:大学学部生時代のクラス委員のひとり(クラスメイトなので年齢が違っていても君付け)。彼は学部生当時から対米外交政策に強い関心を持っていたが、卒業して外務省に入省したものの、留学中に外務省をさっさとやめて学者になったらしい(なお「慶應」を「慶応」と略すとどこからか怒られが発生するとか)。
ちなみに、もう一人のクラス委員も名前を森君といい、その彼は「外交官になって南の島(具体的には在トンガ日本大使館とか、在タヒチ日本大使館とか)で働きたい」と言っていたのをふと思い出した。外務省入省後、どこへ飛ばされたのだろう。夢かなったのかなあ、元気にしてるかなあ。
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