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dai さんの日記
2022
7月
21
(木)
19:31
本文
小学校のカレンダーでは、今日から夏休みだという。というわけで、夏休みを舞台に子どもが主人公となるおすすめの3冊(お勧めするとは言っていない)を挙げてみよう。ただし3冊目の読者対象年齢は大人、子どもは閲覧注意。
1冊目
『そして五人がいなくなる』 はやみねかおる 講談社青い鳥文庫
レーベルは小学校高学年~中学生向け、とのことだが、小4小5くらい向けだと思う。
今の小学生の親御さんの中には、子供の頃に読んだという方もおられるかも(1994年初版)。
亜衣、真衣、美衣は三つ子の三姉妹。ピカピカの中学1年生。隣に引っ越してきた謎のおじさん、自称名探偵、夢水清志郎とともに、隣町にあるアミューズメントパークで起きた連続誘拐事件の謎を解く。ひと夏の謎解きミステリ。
「もしこれが偶然じゃなく、伯爵が計画した必然だったら…」
「もうちょっとキーワードを挙げるとね、『受動態と能動態』さ。」
「え、柔道やって、のど痛い?」
私は心が汚れた大人なので、素直に物語には入っていけなかったが、小4くらいで出会ってたら、きっと夢中で読んだだろうな。だって、伏線があからさますぎて、2件目の事件が起こる前くらいで犯人とその動機が分かってしまう、という事故が発生したから。はやみねかおる氏のミステリはハッピーエンドに決まっているのだ。
すがすがしい読後感。平成の小学生たちが夢中で読んだというのも納得。
2冊目
『しずかな日々』 椰月美智子 講談社文庫
勉強も、運動も苦手な、クラスの中で目立たない「ぼく」。小学校5年の夏休み前に、母親に転校を告げられるも拒否し、おじいさんの家で過ごすようになる。ひと夏のしずかな冒険を通して、「ぼく」はおとなになってゆく。親離れの成長物語。
おじいさん家の縁側で食べるスイカ、自転車で遠くまで探検、学校のプール開放。小学生男子の夏休みの情景である。
3冊目
『向日葵の咲かない夏』 道尾秀介 新潮文庫
文庫裏表紙の紹介文を引用。
「夏休みを迎える終業式の日。先生に頼まれ、欠席した級友の家を訪ねた。きい、きい。妙な音が聞こえる。S君は首を吊って死んでいた。だがその衝撃もつかの間、彼の死体は忽然と消えてしまう。一週間後、S君はあるものに姿を変えて現れた。「僕は殺されたんだ」と訴えながら。僕は妹のミカと、彼の無念を晴らすため事件を追い始めた。あなたの目の前に広がる、もう一つの夏休み。」
小学生の少年が妹と一緒に繰り広げる夏休みの冒険譚。そんな物語を期待していると、ラスト20ページくらいで気づかされる真相に震えが止まらない(ラストをどう解釈するかは人によって変わるかもしれない)。
「史上最悪のイヤミス(読んだ後いやな気持になるミステリ)」
「映像化不可能な叙述トリック」
「とても人の書くものとは思えない(誉めてます)」
「中学生のときに読んでトラウマになった」
など、など、感想に賛否両論入り乱れる、とんでもないミステリ。
事件の真相もそうだが、冒頭から感じる妹のミカ(3歳)についての違和感の正体を理解したときの衝撃たるやハンパないことこの上ない。
心が元気な時に一気に読むこと、途中で気分が悪くなったら躊躇なく読むのをやめることをお勧めしたい。
なお、上記3冊はGH校本棚に。
それでは今日はこの辺で。
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