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dai さんの日記

 
2021
12月 31
(金)
13:25
トップの本棚―The gift from EULER
本文

明けて3月開講予定の【京大クラス】の数学で、「二項定理」と「整数」をいつ扱うべきか、少し迷っている。

「二項定理」について、新高1は「パスカルの三角形」とともに夏休みに触れておこうか、それとも冬休み前、数学Ⅱに入るタイミングでやっておこうか。新高2も復習を兼ねて、開講直後に一度通っておいた方が良いだろう。

「整数」は最大公約数→ユークリッドの主張→不定方程式の整数解→合同式の利用→n進法、これら一連の流れを、新高1はたぶん年明け(3学期早々)で良いだろう。しかし、新高2は新規開講につき(扱うタイミングがないので)、文理関係なく新学期が始まる前後までの数回使ってやっておきたい。【京大クラス】を名乗るからには。



『オイラーの贈物』 吉田武 ちくま学芸文庫


文庫で読む数学三部作(私が勝手に言っている)、GH校本棚の一番上に3冊並べてあるが、手に取る猛者はいるのだろうか。

「想定した読者層は、意欲溢れる中学・高校生から…」オイラーの公式を理解することを目標にした数学の入門書、とのことである。

まず、パスカルの三角形→方程式と関数→微分→積分の4章
次に、テイラー展開→指数・対数関数→三角関数の3章
以上を経て、ガウス平面(複素平面)からのオイラーの公式の導出へ。(第8章)
さらに、ベクトルと行列(第9章)、フーリエ級数(第10章)と進む。


「数字であそぼ」の横部君がさっぱりわからなかった「ベクトル空間」の話は第10章冒頭に出てくるぞ。
昔この本を読んだときは「ベクトル空間」とか「線形性が云々」とか、何のことかわからなかったが、いまならぼんやりと分かる(高校時代そこそこ数学が得意なつもりだったが、結局法学部に進学し、しかも大学入試では数学が一番悪かった人並みの感想)。




では、2021年最後の授業の時間だ。


中1の数学ニガテさん。入塾当初数学は塾内で断トツのビリだったが、今や下から3番目まで出世(?)した。負の数を含む四則計算もいつの間にかほとんど間違えなくなったし、分数係数の方程式でも何とか解いてくる。講習会での確認テストの答案用紙を見て、思わず目を細める。


中2の冬期講習で、「1次関数と図形」の特別授業をやった。

たとえば、A(-1,2),B(-3,-2),C(6,-5)で囲まれた三角形の面積をどうやって求めるか。

平面ベクトルの成分表示を用いて、
△ABC=|ps-qr|×1/2
などのチートはもちろん封印である。

まあ、いずれかの頂点から、x軸またはy軸に平行な直線で切ればいいだけなんやけどね。(いわゆる「内部底辺」で三角形を分割)。

では、
BC=12の長方形ABCDで、CD上にCE=4となる点Eを取る。
∠AEB=45°のとき、ABの長さを求めよ。
(洛星中かどっかの入試問題を改題)

初見で解けたら天才だと思うけど、ヒントは「合同」「内部底辺を取って面積から逆算」といったところか。


中3は入試演習プログラム。公立高校レベルのセットをどんどん解いていく。
証明問題で、三段論法を使うような問題でもだいぶ板についてきた。

A=Bという結論を得るために
「A=X、B=X,したがってA=B.」
「A=X,B=Y.ところでX=Y.したがってA=B」
とすすめていくのだが、上手く書けるようになってきた。


高校生は「最大公約数(gcd)、最小公倍数(lcm)」からの「不定方程式の整数解」。
「合同式」も定義と性質を述べた。不定方程式の整数解を得るのに、合同式は便利で合理的だ。あまりに注目するという意味では、やってることはユークリッドの互除法と何ら変わりないけど。


ではでは、2021(=43×47)年も、当ブログをご愛顧くださいましてありがとうございました。

明けて2022(=2×3×337)年も、よろしくお願いいたします。



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