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dai さんの日記
2021
10月
9
(土)
21:44
本文
〈 国語の問題
お父さんが新しいおもちゃを買いました。
それは真っ赤なブーブでした。
弟の次郎ちゃんは、真っ赤なブーブを運転して大はしゃぎです。
問 次郎ちゃんはどうして大はしゃぎしましたか
誤答 真っ赤な車を運転したから。〉
(自分のSNSのタイムラインに引用で流れてきた「サバ味噌…」さんより)
なお、運転したのは車じゃなくて「ブーブ」だから誤り、というわけではないだろう。
そこじゃないのに、それが誤りのようにミスリードさせるのが腹立たしい。
「ねえちゃんと昨日風呂入った?」
「うん。」
「えー姉ちゃんと風呂入ってんの?エロいなあ」
とか、
「ぱんつくったことある?」
「あるよ。なかなか美味しかった。」
「パンツ食って美味しかったやって。筋金入りのヘンタイやな~」
級の煽りである。なんかイラっとする。
閑話休題
一般に物語文(小説)や随筆で、行動に傍線が引かれてそこが問われたら、「原因となる出来事+感情」と記述しておけばよいだろう。
上の「国語の問題」だったら、
「はしゃぐ」→調子に乗って浮かれ騒ぐ。この場面での具体的な行動は、「真っ赤なブーブを運転して」テンぶちあがりな様子。
感情:うれしい、楽しい
原因となる出来事:「お父さんが真っ赤なブーブ=新しいおもちゃを買ってきた」
ということで、
「お父さんに新しいおもちゃを買ってもらいうれしかったから」、ぐらいでどうだろうか。
「ブーブ」が、車(のおもちゃ)だと解釈するのは合理的であるから(「運転して」と本文にあるから)、解答に「ブーブ」と書こうが「車」と書こうが、そんなことはどっちでも良い。単なる「言い換え」にすぎない。
それよりも「弟」を、勝手に「幼い男の子」と解釈するのは自由だが、国語の解答にそれを明示するのは危険である(本問では必要ではないが)。「弟」はひょっとしたら父の弟、つまり私のおじさんかもしれないし、私20歳で弟18歳かもしれないわけで。
♪最後のキスはタバコのflavorがした~
15歳の女の子がそう歌詞に書いていたが(”First Love” by 宇多田ヒカル)、「あなた」って誰だろう。大半の人は「年上、おそらくは成人の男性」と勝手に想像するだろうが、国語の解答としては危険である。いや、そもそも問題として成立しないか。
歌詞のどこにも、そうだとは書かれていないからである。
話はそれるが、なんで15歳の女の子がタバコの味を知っているのだとか言う無粋なツッコミはなしだ。世の中には、こういうことを公言し表現や創作を台無しにして恥じない人がたくさんいるようだ(いわゆる「ポリコレ」)。
心より軽蔑申し上げたい。
国語の電話帳(注1)をパラパラめくってみた。
2021年度の公立高校入試問題において『水を縫う』(寺地はるな)率の高いこと高いこと。
しかも、三重、福井、兵庫、大分、佐賀でほぼ同じところを引用している。(なお、栃木、群馬、宮崎、徳島でも、また別の同じようなところから出題している)
〈個性は大事、というようなことを人はよく言うが、学校以上に「個性を尊重すること、伸ばすこと」に向いていない場所はたぶんない。〉
おお、高校入試の問題文の書き出しがこれって、なかなかとがっていて好き。
で、
〈靴ひもをきつく締めなおして、歩く速度を速める〉
まで。
この「靴ひもをきつく締めなおして」に線が引かれていて、「どういうことか」と解釈を求めている県が複数。作問を担当されている先生方は同じようなところを見るものだなあ、と感心。
選択肢を与えている県も多いが、正答肢のつくりが違っているのが興味深い。国語の正答は一つでないのである。
いや、おもしろがっている場合やないねん。答えをどうやって選んだらいいねん、てなるけれども、普段の勉強のときは、選択肢に頼らず自分でおよその答えを作ってみて、一番近いのを選ぶ、というようにすればよい。いいトレーニングになる。
自習室を利用して国語の勉強をしたいなら、電話帳の読解問題をやったら?
各教室に過去10年分以上(栗東はそこまでない)おいてあるよ。
ノートに解いてね。
大事なところに線を引く練習をしたい人は、本屋さんで自分用のを買ってね。
最後に、出典を読んだことがあると嬉しいけども、点数的に1点も貢献しない。
大学入試を受けたときに、英作文の問題文が村上春樹だと気付いて(たしか「ノルウェイの森」)、一人で勝手に盛り上がっていた(注2)が、だからと言って上手く英訳できたわけではない。
出典を当てることにさほど意味はないのである。
当てにいく気はさらさら無いのであしからず。(いやそもそも滋賀の県立入試で小説出てるの見たことない)
注1: 「電話帳」とは「全国入試問題正解」のことである。こんなことを書いたら、今頃見ていることがバレバレである。言い訳しておくと、私は中学生の国語を担当していないのである。
注2:著作権の問題なのだろう。「京都大学の英語25年」で、当該年度の英作文の問題は割愛されている(歳がばれる)。現物は現在栗東校にあります。
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