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dai さんの日記
2021
9月
4
(土)
18:34
本文
受験を意識しだした中3生からよく出てくるお悩み相談にひとつに、
「読解問題(国語・英語)はどうやったらできるようになりますか」
「読解問題で時間が足りなくなるのですがどうしたらいいですか」
というのがある。
初見の文章を読んで、後の問いに答える。答えは基本的に本文中に書いてある。
たったそれだけのことの何が難しいのか、私にはさっぱりわからない(と思いっきり煽ると嫌われるだろうな)。
目標は、一読して何が書いてあるか的確に理解することである。
そのうえで、設問の要求に素直に答えればよいのである。
では、ネックは何だろう。
英語についていえば、文の構造を意識して、「前から順に」意味を取れるようになっているか(=精読)。そのうえで、ほとんどの文が「前から順に」無意識に意味を取れるまでになっているかどうか。
精読できない文章が速読できるわけがないのである。ためしに、最近受けた試験ででてきた初見の文章を全訳してみるとよい(読みくだしで良い。きれいな日本語に整える必要はない。)
ルールは、時間無制限、参照一切不可とする。
そうやって読んだ内容が、今のあなたの英語読解力である。
たぶん、ほとんどの人は、語彙または文法(文のつくり)、もしくはその両方に大きな問題を抱えているはずである。それを克服せずして、テストでいい点は取れない。
そうであれば、まずすべきは精読の練習であろう。意味のカタマリを意識して、左から右に読み返さずに意味を取っていくのだ。
逆に、そこがクリアできている人は、実践も実テも読解問題は満点近く取れるはずである。
国語はどうだろう。上の悩みを持つ人は、「普段使っている日本語なんだから読めるはず」なんて全く通用しないことを痛感しているはずである。
だって答えは全部日本語で本文に書いてあるのだから。
正しく読めているのなら間違いようがないはず(もっかい煽ってみる。もっとも、出題者も選択肢を作るときに間違えることが無いとは言えず、たまに選ぶのに困る問題があるのは否定しない。だから、必ず満点がとれるとは言っていない。)
じゃあ、「正しい読み方、解き方」とはどのようなものか。
『高校現代文をひとつひとつわかりやすく』 村上 翔平 Gakken
高校生向けではあるが、個別指導で教務力のある指導者が教えるのなら、レベル高めの中3に使いたいと思える1冊。「正しい読み方、解き方」がレクチャーしてある。
大学入試共通テストくらいまでのレベルなら、ここに書かれた技術を身につければ十分太刀打ちできそう。
国語(読解)の技術を指南する本にはだいたい異口同音に書いてあることだが、筆者の主張をつかむために意識すべきことは、大きく分けて三点ある。
ひとつは対比。何かと何かを比較し、どちらかの良さを主張する。
比較対象との共通点、相違点とそれぞれのメリット、デメリットを意識するのだ。
もう一つはイコール関係。
筆者の主張は、形を変えて繰り返されるということだ。
抽象と具体の出し入れが意識できるようになれば良い。
実を言うと国語の読解問題の半数以上は、これを問う問題である。
「傍線部はどういうことか」という問題は全てこれを問うている。
最後に、因果関係の把握。原因と結果、理由と結論のつながりを意識するということだ。
「傍線部とあるが、なぜか」という問いはこれを訊いているのである。
この参考書のいいところをもうひとつ、上の解説は評論文を想定したものだが、この本は小説の読み方、解き方が詳しい。
登場人物の心情はこうやって追いかければよい、と明確に示されている。
詳細は、教室で。
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