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dai さんの日記
2021
7月
30
(金)
14:24
本文
トップの本棚よりお知らせ:
『数字であそぼ。』1~3巻はGH校から引き上げました。入れ替わりに『数字であそぼ。』4~6巻を本棚に置きました。
こちらは、2学期の通常授業が始まるころまでGH校に置いておく予定です。
『図書館の海』『六番目の小夜子』『本と鍵の季節』『青い春を数えて』の4冊をGH校に、『本バスめぐりん』ほか3冊を栗東校に置きました。
『六番目の小夜子』 恩田 陸 新潮文庫
先週、『図書館の海』を当欄で紹介したところ、登場人物の名前の読み方を間違えていたので、よくないと思いつつ、こっそり訂正しておいた。「関根秋(しゅう)」は関根夏(なつ)の弟であり、『六番目の小夜子』の主人公の一人である。
前回のブログを書いた後で、10年ぶりくらい(注1)に読み返したのだ。
とある地方にある、城跡の中に建てられた古い公立進学校が舞台。
高校には十数年間にわたり奇妙なゲームが受け継がれている。三年に一度サヨコと呼ばれる生徒が、見えざる手によって選ばれるのだとか。そしてこの年、3年10組の誰かがサヨコに選ばれた…
秋、由紀夫の写真部男子と、雅子、そこに謎めいた神戸からの転校生沙世子が加わった4人の、高校3年生の一年間を描く。
夏期講習が終わったある日、4人は約束をして海に出かける。このシーンが印象に残っていたのだが、実は事件はこの日町に戻った後夕方に起こる。男子二人と別れた後の自転車に二人乗りした女子二人が、別の高校の不良にからまれる。
夕方の河原に逃げ込む沙世子。追いかける不良たち。この後に起こった不可解な出来事とは…
プロローグで紹介されるのはいわゆる「人狼ゲーム」。「サヨコ」は言わば1年かけて行われる人狼ゲームのようなものだろうか。
ミステリではなくファンタジーとかホラーとかに分類してよいだろう。物語の中で起こるいくつかの事件は、合理的に説明できる部分もあれば、不可解な部分もあるが、物語としてはきちんと閉じていて、すがすがしい読後感である。残念ながら私の読解力ではラスト13行は意味が分からなかったのだが(注2)…
さて授業の時間だ!
先週の確認テストから
次の関数のxが1から4まで増加するときの「変化の割合」を求めなさい(東京都立高校)。
「次の関数」は反比例である。1次関数ばっかりやっていると「変化の割合」=「傾き」(それはそれで雑ながら間違いではない)となって、こういうふうに問われると虚を突かれる。
まあ、ここのクラス「2乗に比例する関数」をまだやってないからね(二次方程式の文章題と格闘中)。とにかく定義を確認(定義、大事!)。
通りがかりの教室でもらった生徒の質問から。
どこかの高校入試問題。ぱっと見円周角がらみのようだ。
円周角の見方が身についていなければどうしようもないので、それだけは確認。あとはいくら私が解いたところで私しか賢くならないので(それでは意味がない)、次のようにふわっとヒントを与えて、自分で試行錯誤するよう述べるなど。
わい「長さを求めろ、ということは求めたい長さがかかわっている三角形になんかヒントがありそうやね。採りうる手段としてどんなことが考えられる?
わい「そやそや、相似とか、二等辺三角形とか考えるよね。等しい角を探して印を入れていってみ。(自分で見つけられたら嬉しいし、めっちゃ賢くなれる)」
試行錯誤、大事!(そしてそれがたっぷりできるのは受験が差し迫ったとまでは言えない今のうち)。
『六番目の小夜子』の「冬の章」には次のように書かれている。
「三年生は…もはや立派な『受験生』以外の何者でもない。…本人たちにしてみれば、受験だ受験だと大騒ぎしているうちに、その実感をつかみきれぬまま冬になってしまったというのが正直なところ…」
中3生もここから先(時間が過ぎるのは)あっという間よ。でも高校1年、2年のそれぞれ1年間だって中3と同じくらいのスピードで過ぎていくし、高3になったらさらに加速する感じ。逆に言えば、子どもの頃って体感として夏休みは長かったよね。
注1:本棚に置いている本の奥付は平成23年7月第22刷とある。初版は平成13年(200年)だから、文庫が発売されてもう20年以上経つのだ。
なお、物語の舞台(1992年初出で、舞台はおそらく80年代)で、なんと国公立入試は共通一次(センター試験ですらない!)。
ちなみに、私が受けたときはセンター試験(無駄な平成時代の大学生アピール)。
当時数学2は「確率・統計」「基礎解析」「代数・幾何」から2問選択だったけど…(センター試験を受験したのが平成一桁であることがバレール)
注2:この点について、文庫では筆者が「あとがき」で、何かを述べている。本の読み方は人それぞれで自由だが、あとがきや解説を先に読むことはお勧めしない。
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