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dai さんの日記

 
2021
3月 30
(火)
22:17
トップの本棚〜英語の読み方
本文


出来立てほやほやのKIX(注1)を発ったのは9月の終わりごろのことだったか。模擬国連の世界大会に参加したのである。今思えばずいぶん無謀なことを気軽に乗っかったんだなあ。

国連外交研究会会長(以下、会長)「daiちゃんも行く?」(注2)
わい「うん、行く。」

数日後
会長「担当国決まったやで、寄託図書館(注3)行ってリサーチしといてや」
わい「御意。」
寄託図書館でのわい(議事録全部英語やん汗)←知らんかったんかい。

会長「参加要項がNYから届くやで、目を通しといてや」
数日後
わい(要項って全部英語やん)←当たり前や。

担当国の所信表明演説のスピーチ原稿を現地ででっちあげたものの、スピーチは敵前逃亡してパートナー(注4)に任せたり、DR(注5)作成交渉の時に相手の言っていることが分からずほぼ押し切られたり、当地の外交担当大臣と直接話す機会があったけどほぼ世間話しかしなかったり、ランチタイムに日本担当のニュージーランド人に「agendaについての日本のスタンスって実際どうなん?(意訳)」と訊ねられて返事に困ったり、とにかくポンコツぶりをいかんなく発揮し、コテンパンにやられて帰ってきたのを覚えている(いい経験だった)。

その後興味関心が国内政治学へ向かい、たまにしか英語に触れなくなった。ゆえに英語は今でもポンコツである。事実今年のドバイ・ワールドカップをネットでライブ中継で見ていたのだが、実況がほとんど聞き取れなかったのだ(注6)。

そんな近況、ちょっと英語を勉強しようかな、と思わされた話題の一冊を読んだ。
(わい、今年度は一部の小学生英語しかやらへんけどね。)



『英語の読み方〜ニュース、SNSから小説まで』  北村 一真  中公新書

本書の主張をわい的に要約すると。
「世間はヨンギノーヨンギノーとうるさいけど、そもそも普通のスピードで英語読めんの?読めへんもん聞き取れるわけないやろうが」
まったくもってその通りだと思う。

もちろん質実剛健でおなじみ(注7)中公新書であるから、格調高く読解力の必要性、そして文法の重要性が述べられている。


これを読んだら、コロナ禍におけるBoris Johnson(英首相)が国民に向けたスピーチや、ついこないだのCapitol暴動事件のときのSchwarzenegger(元カリフォルニア州知事)のビデオメッセージを聞いてみたくなった。

また、本書では『1984』(注7)でおなじみGeorge Orwellがいくつか取り上げられている。そのひとつ、Orwellがナショナリズムについて述べた文章が紹介されていて、大変興味深かった。
引用はしないでおくが、この文のnationalistsを昨今のsociologists in Japanとかso called feminists in Japanに置き換えてもしっくr(文字数)。


授業の時間の予定だった(因数分解についてコメントしようと思った。塾生各位はこのパズル的要素を大いに楽しんでほしい)が、紙幅の都合でまた今度。




注1:歳がばれる。

注2:当時彼らと日本の外交政策について勉強する自主ゼミ的なことをやっていた(メンバーの半分くらいが外交官になった)。会長はイスラム圏担当で、私はロシア担当だった。

注3:当時京都の国連寄託図書館は立命館(衣笠)にあった。今は京都外大にあるらしい。

注4:模擬国連は二人1組で1か国の外交官となり他国と交渉する。私は神戸の学生(経験豊富)とペアを組みおんぶにだっこであった。

注5:Draft Resolutionいわば決議案。決議にいかに自国の主張を盛り込めるかが交渉のポイントである。動詞の微妙なニュアンスが全く理解できていなかったんだよな。今もだけど。

注6:3月27日23:40発走(日本時間)ドバイゴールドシャヒーンにおいて、最低人気のゼンデンが先頭で駆け抜けた直後の、彼に起きた悲劇に全く気付いていなかった。

注7:本稿では中公新書についてたびたび言及している。質実剛健は個人の感想です。

注8:トランプ政権以降のアメリカでは、この古典的ディストピア小説『1984』が売れているということだが、本当だろうか。興味深い現象である。
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