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dai さんの日記
2020
11月
7
(土)
16:01
本文
ただの自慢で恐縮だが、10月実力テスト中3、弊塾には全国1位(490点/500点満点)が一人、全国2位タイ(489点)が二人いる(注1)。
試験は全国共通の問題で、全国のいろいろな塾が(たぶん)同条件で受験していて(注2)、問題は高校入試問題を参考に作成されているそうだ。平均点は毎回5割から6割といったところで、難問・奇問の類がほとんどない、標準的なセットだと思う。
で、全国1位の生徒の偏差値は70と表示されており、膳所高校の80%合格ラインは偏差値72と表示されている。
これって無理ゲーでは?
偏差値というのはその試験における位置づけを示した数値であり、平均点だと50、それを標準偏差だけ上回ると60(逆に下回ると40)、標準偏差の2倍上回ると70ということになる。
すると、今回の試験では仮に満点を取ったとしても偏差値は71程度。
(今回は易しめのセットだったらしく、5教科合計の平均点は300点近くだった。とはいえ高校入試レベルの問題だからある程度勉強が進んでいないと(定期テストを付け焼刃で乗り切り平均点くらい取れたというレベルでは)全く点数がとれない。したがって点数のばらつきは大きくなると予測でき、標準偏差はおそらく100前後だろう。)
あくまで、その試験を受けている集団の中で相対的にどれくらいの位置にいるかを示しているのが、偏差値なのである。
偏差値が上がらないとおっしゃる向きもあるかもしれないが、この時期に頑張っていない受験生などいない。つまり同レベルの受験生が同程度頑張ったとすれば、偏差値は変わらないはずである(出題単元の得意不得意による数値の上下は別である)。
『下剋上算数・基礎編 偏差値40から55への道』 産経新聞出版
したがって、本書のいう「偏差値40」はあくまで中学受験する子たちの中での位置づけということになる。
体感では、中学受験の偏差値50は高校受験の偏差値65(ネットに転がっているでたらめな基準の偏差値であればおそらく70以上)程度に相当するのではないか。
そして大学受験だと再び偏差値50〜55に相当するのでは?(繰り返すが長年の経験と勘によるものに過ぎない。なお大学受験における〇研模試は5〜10控え目に見たほうがよい)
ところで、「下剋上算数」は1日10分目標(注3)、塾との併用、家庭学習にぴったり、だそうである(あくまで中学受験を目指すなら)。10問テストが100回分と、「下剋上受験」のお父さん桜井信一さんの板書が収録されている(問題集は某大手塾の作成)。
なるほど問題を眺めてみたところ、基礎編とあるが相当高度なレベルである。この1冊を6年夏休みくらいまでに習得できれば、少なくとも算数に関してはごく一部の難関中学を除き、十分足りるのではないかと。
共感できるのは、やみくもに公式(パターン)を暗記するべきではないという桜井さんの方針。たとえば、中学受験には特殊算(鶴亀算、ニュートン算など)がいろいろ出てくるが、それらのパターンを暗記していているだけでは、一見何々算かわからない中学受験問題に太刀打ちできないし、遅かれ早かれ壁にぶち当たる。
(高校受験については、ある程度(当人の暗記力によって幅はあるものの高校受験の偏差値60程度の高校までなら)それで5教科とも乗り切れてしまう面があることは否定しないが、それだとやはり、高校に入ってから遅かれ早かれ壁にぶち当たる。)
なお、弊塾膳所コースだと、使っているテキストはこれよりたぶんレベルが高い(あと授業前提で編集されている)。
算数のレベルがふつうの小学校だと物足りないという、膳所コースのない校の小学5年生、6年生は、「どんどんコース」に持ち込んでもらってもいいかも(応相談)。塾内テキストよりも多少いいお値段(2420円税込み)で、各自本屋さんで買ってもらわなくてはいけないけれど。
おことわり。
今回「授業の時間」は紙幅の都合(注4)でお休みします。
次回、10月7日付、14日付、ならびに28日付記事に載せた問題の簡単な解説を書かせていただきます。
ネタばれ不要な方は、次回「授業の時間」以降をご覧にならないでくださいませ。
注1:第1回集計締切時(受験者ん千人くらい?)。試験指定期間の初週に受験させる塾なんて大体学力レベルがそこそこ高いところばっかりに決まっているから、いよいよ偏差値も低く出る(偏見?)。
注2:関西、特に大阪はこの試験を採用しているところは少ないと思う。高校受験用の模擬試験としては、五木と大阪進研(Vもし)があることと、大手塾の中には独自に模試を実施しているところがあるからである。首都圏は間違いなく多いし、それ以外の地方ではほぼこの試験1択だと思う(東海圏の大手塾は独自の試験をやっているかも)。
注3:弊塾の膳所コースの計算道場(10問)が3分では間に合わないのと同様に、この問題集1回分10問を初見で10分では間に合わない(クジラ構文)。解き直しを徹底することが上達への近道だ。
注4:この注込みでほぼ2000字行ってしまった。
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