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dai さんの日記
2020
10月
14
(水)
22:46
本文
「あの子には私の選んだ参考書や百科事典を与えてきたんです。子供にふさわしくない、刺激の強いものは遠ざけてきたのに……あの子が中学生の頃に金田一ブームとやらが起こって、血なまぐさい小説ばかり読むようになって……全部横溝正史のせいなんですよ!」(文庫p84から引用)
子供の読むものを親が制限したところで子供の方はいつか自分の好みで読みたいものを選び始める、そういうことだ。
勉強だってそうだ。何かを身につけることは、時にしんどい思いもしなければいけないこともあるだろうが、基本的には楽しいことである。また、自分で選んだことならそのしんどさは乗り越えられることである。
楽しくやっているからといって、そのこと自体は否定されるいわれはないことである。
(定期。なんか見た。)
『ビブリア古書堂の事件手帖2〜扉子と空白の時』 三上 延 メディアワークス文庫
とはいえ9歳の子に文庫で横溝正史の『獄門島』をおねだりされたら少々びっくりしてしまうだろう。その本が届くのを待っている間、その子は岩波文庫で芥川竜之介を読んでいた。まあ、わけを聞いて、自分がその子ならやっぱり読みたくなるだろうな、と納得した。読書感想文はお断りだが。
さて授業の時間だ。
2Z理科は、「電流とエネルギー」から再開。定期試験の主な範囲が「化学」だったので、テスト明け初回の今回は、化学の難しい計算問題を確認テストに出題した(3問で18分のセット)。
そのうちの1問を紹介しよう。(1)は福井県の県立高校の問題、(2)はその問題に私が勝手に付け足した問題だ。(注1に答えを書きました。)
(問題に付した実験データはここでは省略。実際の問題は、実験の結果からマグネシウムが酸化するときのマグネシウムと酸素の質量比は3:2、銅が酸化するときの銅と酸素の質量比が4:1と導くことを要求している。)
(1)マグネシウム粉末1.50gを加熱する実験をするときに、少量の銅の粉末が混入したため、酸化物が2.75g生じた。混入した銅は何gか。(10点)
(2)粉末のマグネシウムと銅の混合物0.80gを空気中で十分に加熱したのち、酸化物の質量を量ると1.25gだった。元の混合物にマグネシウムは何g含まれていたか。(10点)
さすが2Z。ほぼ全員がこの問題完答。大したものだ(さらっとできた子と、制限時間いっぱいをかけてやっとできた子の差はあったが)。
同日3T(入試問題演習をやっている。今回はイオンを含めた「化学」)にセットした問題にも同じ問題を入れておいたが、初見での完答者はゼロだった。彼らは典型的なものならできるが、こういう風に少しずらされるとなかなかできないものである。
2Zのテスト時間、早くできた子は5分くらい時間をもてあましそうだったので、ふと思いついて次の平面幾何の問題をぶっこんだ(注2に答えを書きました)。
「早くできた人は余白に図を写して挑戦してみて。」
↓ ↓
2年くらい前にタイムラインに流れてきてストックしてあった問題。灘中に生徒を多数送り出している中学受験の算数の先生からの「挑戦状」が出所で、私が鬼マーク2つつけた問題。
どうやら三角形の合同と二等辺三角形の知識で解けるようになっているようだ。
種明かしをしたら「そんなん思いつくかー」と、クレームの嵐だったので、
「こういうのが見えるようになるにはこれから鍛えてもらって場数を踏んでね」
と返しておいた。
とはいえ、学習効果を考えると2年の図形を一通り学習し終えたタイミングのほうがよかったかもしれない。
ちょっと反省。
注1:(1)は0.20g、(2)は0.60g。(2)は連立方程式を立ててしまうのが一番手っ取り早いのでは?
注2:点Dから上方向に線分5cmの垂線DHを立てると、なんと△HCAは直角二等辺三角形になる!
(なぜなら△HDCと△CBAが合同)
というわけで、後は平行線の錯角の補角で135度とわかる。
厳密には平行四辺形の成立条件を吟味する必要があるけどね。
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