@
dai さんの日記
2020
6月
12
(金)
15:26
本文
都教委「今年の高校入試は数学から三平方の定理と標本調査を外すやで。休校が長引いた影響やで」
わい「高校入ってから三角比で詰むやん。丸暗記バカを増やしたらこの世代の子らかわいそうやん」
奈良県教委「数学は標本調査だけ外すで。三平方は出来るようになっとってや。」
三平方の定理は頭を鍛える良問がたくさんあるし、高校に入ってからどのみち三平方の定理の理解は不可欠である。滋賀県教委がどう判断しようと、私のクラスではみっちり練習する予定である。
『幸福な食卓』 瀬尾 まいこ 講談社文庫
「父さんは今日で父さんを辞めようと思う。」
こんな書き出しで始まる、ちょっといびつな、けれどもなんだか暖かい、家族の物語。
佐和子は中学3年生。塾でライバル宣言をしてきた男子、大浦君と、同じ進学校に通うことになる。何だ、青春かよ。
映画(2007年)では、ラストで北乃きい演じる佐和子が歩いているところにミスチルの「くるみ」が流れ出す。
「ギシギシ鈍い音を立てながら」家族がつながり合いなおす物語である。
ベタだけど、これ完全に泣かしにきてるやん。
さて授業の時間だ。
小学校5年学習コース算数の確認テスト「4.25mの重さが6.8kgの鉄の棒があります。この鉄の棒1mの重さは何kgですか。」で、4.25÷6.8を筆算して0.625と出している子を多数見かけた。数字だけ見てあてずっぽうで割り算をしているのである。なまじ賢いだけに、「小数÷小数」の単元ということで、あえて小さいほうから大きいほうを割っているのか、それとも出てきた数字を順に割っているだけなのか。5年から入ってきた子にこの傾向が見られる。
要するに量の概念、単位当たり量の概念が頭の中にないのである。これは早目に矯正しなくては先が思いやられる。算数担当の先生、よろしく頼みますよ(注1)。
なお、単位当たり量の概念は、必ずしも「1当たり量」にする必要はない。日常生活の場面でも「100g350円のお肉を400g買うといくら」という問題でいちいち1g3.5円だからとは考えないだろう。すぐに350円を4倍して1400円と計算できるはずである。
もしやと思い、私が担当する下位クラスの中3理科の時間、生徒たちにいくつかやってもらった。すると、鉄の棒の問題で割り算を逆にしている子はいなかったし、以下の問題をすらすらと解いていた。さすがに物理(注2)で苦労して、比の概念を手に入れた(注3)だけのことはある。
「8秒で130m飛行するツバメは12秒では何メートル飛行するか。」
「6個270円のまんじゅうを8個買うと代金はいくらか。」
最初に出した「4.25mで6.8kg」の問題も、もう少しレベルが上がってくれば17/4が見えてほぼ暗算でできるというものである。
栗東校中3数学では、質問に出た問題に「合同の発見→ほしいところの長さを出す→面積を求める」というのがあったので、全体で問題意識を共有することにした。
時期的に三平方の定理は未習なので、台形から合同な直角三角形を削って三角形の面積を求めさせる出題意図である。
しかし実はこの問題、三平方の定理が使えれば面積を求めるべき直角二等辺三角形の斜辺の長さはすぐに2√29と求められるから、面積は29とわかる。
たまたま冒頭のニュースを聞いていたから、
「三平方が試験範囲からなくなっても二学期のしかるべき時期にしっかりやるやで。」
と宣言しておいた。
注1:学習コースでは国語の日に算数の確認テストを、算数の日に国語のテストをやる、というシステムになっている(通常授業時)。
注2:化学→物理→生物の順で「科学技術」「生態系」を除く全範囲を一通りやっている。もちろん東京都では今年度の入試に出ないとされる力学的エネルギーもさわっている。定着のために、これから何度も塗り重ねるようにたくさん良問を解いてゆく。
注3:彼らに理科を教えるのは今年の三月からだが、いろんな場面で、「2量が比例の関係にあったら比で計算できるで」「定義はちゃんと理解せなあかんけど、なんでもかんでも公式ちゃうで」と叩き込んでいるのだ。彼らには、高校に上がってから「モルがわからん」とは言わせない。
わい「高校入ってから三角比で詰むやん。丸暗記バカを増やしたらこの世代の子らかわいそうやん」
奈良県教委「数学は標本調査だけ外すで。三平方は出来るようになっとってや。」
三平方の定理は頭を鍛える良問がたくさんあるし、高校に入ってからどのみち三平方の定理の理解は不可欠である。滋賀県教委がどう判断しようと、私のクラスではみっちり練習する予定である。
『幸福な食卓』 瀬尾 まいこ 講談社文庫
「父さんは今日で父さんを辞めようと思う。」
こんな書き出しで始まる、ちょっといびつな、けれどもなんだか暖かい、家族の物語。
佐和子は中学3年生。塾でライバル宣言をしてきた男子、大浦君と、同じ進学校に通うことになる。何だ、青春かよ。
映画(2007年)では、ラストで北乃きい演じる佐和子が歩いているところにミスチルの「くるみ」が流れ出す。
「ギシギシ鈍い音を立てながら」家族がつながり合いなおす物語である。
ベタだけど、これ完全に泣かしにきてるやん。
さて授業の時間だ。
小学校5年学習コース算数の確認テスト「4.25mの重さが6.8kgの鉄の棒があります。この鉄の棒1mの重さは何kgですか。」で、4.25÷6.8を筆算して0.625と出している子を多数見かけた。数字だけ見てあてずっぽうで割り算をしているのである。なまじ賢いだけに、「小数÷小数」の単元ということで、あえて小さいほうから大きいほうを割っているのか、それとも出てきた数字を順に割っているだけなのか。5年から入ってきた子にこの傾向が見られる。
要するに量の概念、単位当たり量の概念が頭の中にないのである。これは早目に矯正しなくては先が思いやられる。算数担当の先生、よろしく頼みますよ(注1)。
なお、単位当たり量の概念は、必ずしも「1当たり量」にする必要はない。日常生活の場面でも「100g350円のお肉を400g買うといくら」という問題でいちいち1g3.5円だからとは考えないだろう。すぐに350円を4倍して1400円と計算できるはずである。
もしやと思い、私が担当する下位クラスの中3理科の時間、生徒たちにいくつかやってもらった。すると、鉄の棒の問題で割り算を逆にしている子はいなかったし、以下の問題をすらすらと解いていた。さすがに物理(注2)で苦労して、比の概念を手に入れた(注3)だけのことはある。
「8秒で130m飛行するツバメは12秒では何メートル飛行するか。」
「6個270円のまんじゅうを8個買うと代金はいくらか。」
最初に出した「4.25mで6.8kg」の問題も、もう少しレベルが上がってくれば17/4が見えてほぼ暗算でできるというものである。
栗東校中3数学では、質問に出た問題に「合同の発見→ほしいところの長さを出す→面積を求める」というのがあったので、全体で問題意識を共有することにした。
時期的に三平方の定理は未習なので、台形から合同な直角三角形を削って三角形の面積を求めさせる出題意図である。
しかし実はこの問題、三平方の定理が使えれば面積を求めるべき直角二等辺三角形の斜辺の長さはすぐに2√29と求められるから、面積は29とわかる。
たまたま冒頭のニュースを聞いていたから、
「三平方が試験範囲からなくなっても二学期のしかるべき時期にしっかりやるやで。」
と宣言しておいた。
注1:学習コースでは国語の日に算数の確認テストを、算数の日に国語のテストをやる、というシステムになっている(通常授業時)。
注2:化学→物理→生物の順で「科学技術」「生態系」を除く全範囲を一通りやっている。もちろん東京都では今年度の入試に出ないとされる力学的エネルギーもさわっている。定着のために、これから何度も塗り重ねるようにたくさん良問を解いてゆく。
注3:彼らに理科を教えるのは今年の三月からだが、いろんな場面で、「2量が比例の関係にあったら比で計算できるで」「定義はちゃんと理解せなあかんけど、なんでもかんでも公式ちゃうで」と叩き込んでいるのだ。彼らには、高校に上がってから「モルがわからん」とは言わせない。
閲覧(1624)
コメントを書く |
---|
コメントを書くにはログインが必要です。 |
最近の日記
最近のコメント
- RE: daiの入試問題研究Vol26. dai [05-08 22:34]
- RE: daiの問題研究Vol.16―試 dai [03-06 15:08]
- RE: トップの本棚―5文字で百人一首 dai [07-06 22:41]