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dai さんの日記

 
2019
10月 28
(月)
16:01
トップの本棚―The Heron’s formula
本文
ハロウィンである。日本ではひな祭りに端午の節句に地蔵盆にハロウィンにクリスマスと、
宗教ごった煮でなにかにつけて子どもにお菓子を配るものだから、そのうちラマダン明け(注1)とかにもお菓子を配るようになるのかしらん。知らんけど。


『魔術から数学へ』 森 毅  講談社学術文庫  


水100グラムに食塩10グラムを溶かすと、110グラムの食塩水ができる。しかし水100mlに食塩10グラムを溶かしても体積はほぼ100mlの食塩水ができる。当たり前だが、よく考えてみると当たり前ではない。
その理屈でいけば水100mlにエタノール100mlを混ぜたら100mlのエタノール水になるのか。いやならないだろう。では液体同士だから200mlになるのか。いやならないのである。
このような錯覚は質量と体積の混同によるものである。お風呂の水がたくさんあふれたらそいつは太っているというけれど、じゃあ体重はというと体重計で量るだろう。(注2)
質量などというのは、きわめて近代的な概念である。子どもが直感的に理解しにくいのは、この辺りにわけがあるのかもしれない。


授業の時間だ。

ヘロンの公式(注3)というのがある。3辺の長さから三角形の面積が直ちに導かれる便利な公式だ。ただしふつう中学校で習うことはないし、当塾で用いるテキストにも載っていない。
大将軍中3数学Tクラスではその存在をほのめかしている。授業は円に絡む応用問題。
内接円の半径と三辺の長さから三角形の面積が求められることを学んだので、これをヘロンの公式と融合させてみよう。

△ABCの各頂点から内接円の接点までの距離をそれぞれx、y、z、とおく。
これをヘロンの公式に代入してみると次のような大変美しい式が爆誕する。

△ABC=√{xyz(x+y+z)}

更に内接円の半径 r=√{xyz/(x+y+z )}

(テキスト手打ちだとあんまり格好良くないですね…)

(授業でもちょっと言ったように使い道はそんなになさそうですけどね…)


ヘロンの公式は、三角形の面積の基本的な公式と三平方の定理を用いれば中学数学の範囲内で何とか証明可能である。高さhと垂線の足までの長さdと置いてやるから文字が5つになるので誘導なしにはとてもできそうにないけれど。(sin、cos使っていいならヘロンの公式の証明はそれほど難しくない。京大くらい目指す高1生はぜひやってみよう)


注1:イスラム教の断食月明けのこと。たとえば世界最大のムスリムの国インドネシアでは、日本におけるお盆休みのように1週間程度休暇モードになる。

注2:厳密に言えば「重さ」と「質量」も違う概念ですよね。

注3:三角形の3辺の長さをそれぞれa、b、cとし、
s=(a+b+c)/2とおくと、
三角形の面積は√{s(s-a)(s-b)(s-c)}で計算できる。
このsが何ともめんどくさくていやだった(むかし「1周の半分の長さ」とか言って無理やり覚えた)が、何と
s=x+y+z である!
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