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dai さんの日記

 
2018
9月 19
(水)
22:48
やさしさだけじゃ
本文
『真実の10メートル手前』  米澤穂信  創元推理文庫

第155回直木賞候補作。フリージャーナリスト太刀洗万智の事件記録、短篇6つが収められている。真実はいつも一つ(作品が違う!)、彼女の名推理が冴えわたる。スピード感があり1篇1篇はあっという間に読めるだろう。待ち時間におすすめ。

中でも一番印象に残った収録作の一篇、「名を刻む死」では、孤独死した老人の第一発見者となってしまった中学生が主人公である。太刀洗が事件を取材し、真相を明らかにするとともに、彼の苦しみに対して救いの言葉を投げかける(結末部分なので詳細は語らない)。やさしさだけでは社会を生きていけないのだよと。


さて授業。気がつけば3年は相似に入っている(栗草もGHも)。実践講座【第2回】ではなかなか厳しい難角問題が出題されていた。二等辺三角形が二つ見えているところにさらに正三角形を書きくわえるなど、普通は思いつかない。ラングレーの整角問題をちょっと思い出した。(全然構図は違うけど)


ラングレーの整角問題のセオリーは隠れた二等辺三角形を見つけることだ。角度?楽勝やん、と思っている中学生を絶望のどん底にたたき落とす(大げさ)、非常にいい問題である。君子危うきに近寄らずというが、賢い2Zは挑発に乗ってすら来ない。(3Zは逆に乗ってきそうだ)


面積比をやっている3Zには、それとは言わずに東大寺中の問題をひとつ、ぶつけてみた。正六角形中にできる三角形の面積比が12:13になるとき、内分点の比を求めなさい(詳細を略すと伝わらない!)的な問題。面積比から線分比に持ち込むのだが、一筋縄ではいかない。推理小説のような楽しみがあるが、彼らはそんなふうに味わう余裕などない。残念ながら全滅であった(制限時間か厳しすぎる〜5問20分の設定、もちろん残り4問は基本的な問題にしても〜ゆえ同情の余地はある。定期テストが近づいてなかったら持って帰って考えといで、とするのだが)。


ここで紹介した本は、私が中学生ぐらいの時に出会っていたら多分興味を持って読んだだろうなという本です。栗東草津校の入り口正面の本棚に並んでいます。塾生のみなさんはお迎え待ちの間に、あるいは少し早く来て(確認テストがあるしそんな余裕があるかどうかは別にして)、どうぞ手に取ってみてください。貸し出しも歓迎です。 .
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