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dai さんの日記

 
2018
4月 30
(月)
19:52
満天星の咲く頃
本文
『つぶやき岩の秘密』 新田次郎 新潮文庫

春の天皇賞を観戦しに、京都競馬場へ行く。夏休みにキャンプへ行くとか、正月に実家に帰るのとかと同様、年中行事のひとつである。なお、この時期の京都競馬場は、天気が良ければピクニックにもってこいの場所である。ただし、車で行くことは帰り駐車場から出られなくなるのでお勧めしない。

この日ここに来ると必ず最初にすることがある。ライスシャワーの碑に一礼をするのだ。碑は馬頭観音の奥、林の中にひっそりと建っているのだが、この日ばかりはたくさんのお供え物がある。碑の向かって左側には、満天星がその派手な名前とはうらはらな可憐で小さな白い花を咲かせている。

ドウダンツツジに満天星という字をあてるということを知ったのは、いったいいつだっただろう。

GH校5Zクラスで国語を教えている。授業中しばしば、文中にある言葉をきっかけにして、いろいろな質問を生徒に投げている。たとえば文中に「涙をぬぐう」とあったから、「ぬぐう」は漢字で?とかなまけるとあったからなまけるは漢字で?とかじゃあ対義語は?とか言った具合である。

彼らに「光」の対義語を漢字で2種類挙げるよう投げてみたら、すぐに「闇」と返ってきた。もう一つ挙がる?と尋ねたが、なかなか「影」が出てこなかった。たまたまなのか時代なのか、小学校5年生の子らが、影より先に闇を思いつき、しかも漢字で書けるというのはおもしろいことである。

意味調べの課題をするときに、どんな字をあてるのか、対義語や類義語があるかどうか興味を持って気にしてくるようになったら、より語彙が豊かになるだろう。そういうことが楽しんでやれるようなクラスに仕向けて行こうと思うし、またそういう意欲を持っているクラスだと思う。

表題の本は、5Zのテキストに新田次郎が採りあげられていたからと、たまたま図書館で見かけた本をクラスのみんなに紹介したものである。冒険に出る小学6年の主人公と周りの大人とのかかわりを描いている。昭和47年初出で、翌48年にはテレビドラマになったという当時の話題作である
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