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dai さんの日記

 
2021
11月 3
(水)
10:57
トップの本棚―イヤミス!
本文

「ほんタメ」(注1)で、「読むと嫌な気持になるミステリ3選」をやっていて、たくみさんが絶賛推していた作品がこれ。


『向日葵の咲かない夏』  道尾秀介  新潮文庫

「僕」は小学4年生。明日から夏休みである。先生に頼まれてプリントを届けに欠席した級友のS君家を訪ねると、S君は首を吊って亡くなっていた。慌てて学校に戻り先生に知らせ、先生が警察の人と一緒に現場に駆け付けると、彼の死体は忽然と消えてしまっていた。
1週間後、S君はあるものに姿を変えて「僕」の前に現れ「僕は殺されたんだ」と訴える。
「僕は」妹のミカ(3歳)と一緒に、彼の無念を晴らすため、事件を追う。

こう書くと赤川次郎の青春ミステリ(主人公子供だけど)のような、すがすがしい読後感を期待するが、サスペンスやホラーの要素が強すぎる(途中で嫌になる人が出るかもしれない)うえに、続きが気になって読み進めてゆく読者をラストのどんでん返しで…。

最初の1ページから、もやっとする描写があるのだ。「僕」が大人になってから妹について振り返っているのだが、妹は4歳になってすぐ亡くなったと明かされている。

基本的に「僕」の1人称で進む、夏休みの「物語」。
「物語」と鍵括弧をつけた意味は、最後まで読むとわかるだろう。
最後まで、予想を裏切られっぱなしであった。

とても人間の書くものじゃない(ほめてます)。

「中学生の時に読んで、トラウマになった」などの感想がたくさんよせられているので、心が風邪をひいているときには決して読まないでほしい。ラストの意味を理解したとき、心が闇の方へ持って行かれるかもしれないから。

夏空の下向日葵の咲く庭と、雨降りの夜中の羅生門では舞台が全然違うけど、読後感は芥川の『羅生門』。登場人物が各々に抱える心の闇の生々しさに触れる作品だった(個人の感想です)。



トップの本棚からのお知らせ。


本書は、意味が分かると相当怖い話で、小中学生が読むとトラウマになるレベルだと思います。よって、本棚には置かないことにします。

『2月の勝者』1~13、『はたらく細胞』シリーズは栗東校から一時引き上げます。11月末ごろに再設置の予定です。

『賢者の学び舎』1~5をGH校に期間限定で置きます。こちらも11月いっぱいの予定(好評ならもう少し延長するかもしれません)。

『本と鍵の季節』(米澤穂信)、『月のぶどう』(寺地はるな)、ほか数点をGH校から栗東校に移動しました。


さあ、しばらくは定期テストに集中!

今日の実力テスト(中3は滋賀Vもし)を復習したら、今習っている単元のワークをこの休み中に(日曜日まで塾はお休みになります)やっておこう!!




注1:YouTubeチャンネル【予備校のノリで学ぶ「大学の数学・物理」】でおなじみのヨビノリたくみさんと、女優の斎藤明里さんがMCをつとめる「本にまつわるエンタテイメント情報」を発信しているYouTube番組。私のお気に入りのひとつである。
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