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TOP  >  TOPブログ  >  dai  >  つれづれ  >  トップの本棚―文庫化してたんや(光文社さんありがとう)

dai さんの日記

 
2024
11月 7
(木)
20:02
トップの本棚―文庫化してたんや(光文社さんありがとう)
前の日記 カテゴリー  つれづれ
本文


以前も少し触れたが、2024年洛南高校入試、国語の小説は『この夏の星を見る』(辻村深月)だった。えらくベタな(注1)選択やなあ、と思って見ていたが、やっぱり東京都立高校辺りの易しい問題とは一線を画していた。
漢字の書き取りから難しい。たとえば、「目がウルむ」ってさらっと書ける?
「とばっちり」「ぎこちない」「観念して」「葛藤して」、意味を説明できる?

登場人物の心情を問う問題も微妙な選択肢の振り方をしており(ちゃんと読めていればこれしかない、と判断できるが)、洛南受験層で合否を分ける程度には難しい。滋賀で言うと栗東、野洲あたりを受ける子でも大半間違えることのなさそうな東京都立の問題とはえらい違いである。中3塾生各位には、「自習の時間に電話帳(注2)借りてやってみな。」と言いたいけど、滋賀はかたくなに小説出さないからなぁ。

その洛南で2年前に出題されたのが『女神のサラダ』(瀧羽麻子)より『本部長の馬鈴薯』。電話帳には載っていないので、洛南を受ける人は(いるのか!?)、是非赤本で解いてみて。

瀧羽麻子は今年の西大和学園にも出題があったみたいやね(『虹にすわる』)。これも電話帳に載っていないけど。


『女神のサラダ』  瀧羽 麻子  光文社文庫 


去年の広島サミットのときに、単行本から3年経つけどそろそろ文庫化しないかな、なんて書いていたのに、すっかり忘れていた。今年の5月に出版されていたようだ。

以下当時書いたものをそのまま引用。

「夜明けのレタス」「茄子と珈琲」「本部長の馬鈴薯」「アスパラガスの花束」「レモンの嫁入」「月夜のチーズ」「オリーブの木の下で」「トマトの約束」の短編8編。全国各地いろいろな境遇でいろいろな農産物に関わる農業女子の心情を、丁寧な取材に基づいた珠玉のフィクションでつづる。


去年の洛南高校の国語で「本部長の馬鈴薯」が引用されていた。大企業の管理職をセミリタイアして北海道の農場で働く「本部長」は、地元の農家を継ぎ農業法人の「社長」となった年下女性のことを、なかなか「社長」とは呼べない。
(出題引用されたのは物語のラスト13ページぶんくらい)

一番好きなのは「夜明けのチーズ」。シングルマザーの一人息子が彼女の妹が引き継いだ実家の牧場で暮らすことになる。小学生の彼は牧場での牛との触れ合いを通してある決心をする。感涙必至。(引用ここまで)


このたび文庫版を買って読み直してみて、一番刺さったのは「夜明けのレタス」。前の職場でSEとして頑張りすぎて精神を壊した女性は、群馬県の農業会社で働いて精神の健康を取り戻してゆく。でも、両親にはそのことを打ち明けられていない。


そういや瀧羽さんの作品で初めて読んだのは、『左京区七夕通東入ル』(小学館文庫)で、当時勤めていた塾でおすすめ本として教え子の中学生たちにも紹介した。登場人物の2人の京大生男女がなかなか手も繋げないというじれったい恋愛小説で、当時懐かしさと恥ずかしさで、もじもじしながら読んだものだった。
「リア充爆発しろ、とか言っている中3生各位は読まない方がよい」とかコメントを添えたのだが、あれからいつの間にか干支が一回りしているのか。こっわ。


(「今日の授業」はお休みします)


それでは今日は、このへんで。





注1:他では群馬、埼玉、愛知、広島の各県立高校入試で出題あり。その他、本線だなあと思ったのが、万城目学の『八月の御所グラウンド』より、『十二月の都大路上下(かけ)る』は、愛媛、岐阜、山梨で出題。上野歩『お菓子の船』は岩手、都立西、富山、高森美由紀『藍色ちくちく』は神奈川、兵庫、佐賀でそれぞれ出題があった。

注2:『全国高校入試問題正解』。GH校では過去4年分を開架にしている(閲覧は塾内限り)。


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