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dai さんの日記

 
2024
7月 26
(金)
22:05
トップの本棚―基礎がだいじ
本文


本日は先に授業から始めよう。

夏は「基礎固め」の好機。
ただし間違ってはいけないことは、「基礎」=「簡単なこと」ではない、ということである。
「基礎」とは物事の土台なのである。


例題を一つ出してみよう。中3Zクラス向けに、数学の問題だ。


99530001を素因数分解しなさい


そもそも、「素因数分解」とはどのような操作か。

そこから分かっていなければどうしようもないが、わかってない自覚があるなら中1から復習した方がよいだろう。

小さい素数から割っていくだろうが、「2」は検討する必要が無く、「3」(というか9)はすぐ見えなくてはならない。「5」も検討不要。「7」「11」「13」からはひとつひとつ検討するよりほかない(注1)。あとは気合と根性である。

え、何だって?お前の言う「基礎」ってそれだけか?と

否、素数の積の形を作るのが素因数分解なのだから、「積の形を作るべく計算の工夫が使えないか?」と考えようとすることも、やはり「基礎」である。


ほら、問題の数は100000000(10000の2乗)より469999だけ小さい数ではないか。


え、まだわかんない?


じゃあ、これでどうだ。

99530001
=(10000)²-47×10000+1
=(10000)²+2×10000+1-49×10000
=(10000+1)²-(7×100)²
=…

「( )²の形や、A²-B²を作ろうと試みる」というのは立派な「基礎」だと思うのだがいかがだろうか。


『数学ゴールデン 6』    藏丸竜彦  白泉社
『フェルマーの最終定理』 サイモン・シン 新潮文庫



1年余ぶり、ようやく『数学ゴールデン』の新刊が出た。
数学オリンピック出場に向けて青春のすべてを数学に捧げる男小野田春一が、高校で出会った仲間とともにイギリス遠征に挑む。

小野田がイギリスへ向かう飛行機の中で読んでいた本は『フェルマーの最終定理』だった。整数の課題を宿舎で解いているシーンで、そんなセリフがあった。

やばい、彼ら「整数には色がある」「素数は原色」とか言い出したぞ。(6巻収録第25話「整数2」)

本話でちらっと写っていたのは、たぶん数学オリンピックの過去問だ。


x³+3367=2^n (2のn乗) をみたす自然数xとnの組を全て求めよ。

整数問題についての基礎的なアプローチがふんだんに詰め込まれた面白い問題である。


整数問題の基礎的なアプローチとは、

1. 積の形に持ち込む(因数分解を利用)
2. 不等式で範囲を絞る
3. 倍数や余りで分類(剰余系、合同式の利用も有効)


難関大学入試ならだいたいこれで行けるし(京大や一橋大でよく出る)、本問とて例外ではない。3乗があるし、中学生にはちょびっと敷居が高いかな?(3乗の因数分解は高校の数学Ⅰで習う)

「3367が素因数分解出来たらうれしいな、3はムリやし7チェックから行ってみよう。ほら、割れた」

「そしたら、2^n-x³=7×13×17になるからnが3の倍数なら左辺は因数分解できるな」

っていう感じか。ヒカマニ(注2)あたりが動画にしてそうやな。知らんけど。


それでは今日は、このへんで。




注1:1001(=7×11×13)ルールを用いて、3桁ずつに分割した数での判定に持ち込めるが、さすがにそれは「基礎」とは言えないと思う。

注2:YouTube「数キン」、「Hikakin理系マニア」など、いろいろある。ヒカキンが数学の問題を解くだけのチャンネルである。前者は大阪C問題など、難しい高校入試の問題を解いているし、後者は京大の過去問などを解いている。そうに決まっている。言うまでもない。






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