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dai さんの日記
2022
11月
13
(日)
15:10
本文
とある教育系YouTuberの数学が苦手な子向けに出している三角比の動画(高校1年生向け)に次のような問題を見つけ、思わず卒倒した。
次の△ABCの面積を求めよ。
a=2√2,b=3,A=110°,B=25°
中2生の皆さん、何がおかしいかわかるだろうか?なお、2√2はおよそ2.8である。
(ヒント、三角形の合同条件)
???「解説しよう。A=110°、B=25°なら三角形の内角の和は180度だから、C=45°だ。すると面積を求める公式S=1/2×absinCに代入して…」
出鱈目もいいところである。試しにa=2√2,b=3,C=45°で三角形を書いてみるといい。
こういうのを「公式あてはめ思考停止マン」という。こういう勉強の姿勢では、かなり低レベルの段階で頭打ちになるだろう。
次。
次の計算をしなさい。
1-4+9-16+25-…-98²+99²-100²
三手詰めやね。最上位の中3生なら、筆算不要で2分もあれば正答にたどり着けるだろう
(しれっと3Z生を煽ってみる)。
まあ、隣同士の項をひとまとまりに考えて2乗の差をとるもよし、そのまま公差-4の等差数列を見るのであればそれもよし(答えは-5050)。
うちの5Zの子らはふつうに等差数列を見出しそうやね。はじめて規則性に触れた1学期の授業で
数列1,4,9,16,…の100番目は?
と尋ねたら、隣同士の差をとって3,5,7,…を見出していたし(頭柔らかいなあ、と感心した)。
そんな彼らは今や平方根に興味を持ち始めていて、前回の授業では
方眼紙に面積5の正方形を書きなさい
なんて問題に果敢に挑戦していた。
また、「次の計算をしなさい」は慶應とかで出そう、と前回の記事で述べたが、実は慶應女子の今年の高校入試でこんな問題が出ている。
2044²+1956²+4022²+3978²
これなんかはまだ易しい(何をすればよいかがすぐ見えるし、その後の処理もそんなに大変ではない)けれども、難関私立の1番の計算問題は、近年特に「絶対に取らなければならない問題」とは言い切れないかもしれない。たとえば、中大杉並の計算問題とか、見た目かなりやばい(語彙ry)
(x²+2022)²-4092529x²を因数分解せよ。ただし17⁴=83521である。
ほかの問題や、合格ラインとの兼ね合いもあるだろうが、計算問題に対する心構えとしてはどう対応したらよいのだろう?
前回紹介した東大寺の問題に面積の(4)を追加して、京大クラス高1のみんなに解いてもらった。
円Oに内接する四角形ABCDで、AB=14、AD=10、BD=6√2、∠BAC=∠DAC、対角線の交点をEとする。(参考図は付さない)
(1)DEの長さを求めよ。
(2)BCの長さを求めよ。
(3)円Oの半径を求めよ。
(4)四角形ABCDの面積を求めよ。
(1)(3)は多くの人が楽勝。(2)でちょっと苦労してたね。「xとおいて余弦定理」という見通しが立てられればそこから先はすらすらできていた。(4)は(2)ができればただの計算問題。
面積の見え方(sinが含まれた面積の公式、あれは適当に底辺をとって「底辺×高さ÷2」ってやっているだけ)が定着していたらそれでいいよ。
公式を文字で思い出そうとするのは愚の骨頂。冒頭にあげた問題も問題の設定がおかしいこともさることながら、公式を文字通り丸暗記せよと説いているところがなんだかなぁ。
苦手な子向けなんだったらなおさら、
あれはただの「底辺×高さ÷2」だよ
って教えてあげればいいのに。
それでは今日は、この辺で。
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