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dai さんの日記
2022
7月
17
(日)
13:49
本文
夏休みの宿題の定番、読書感想文といえば、8月31日の夜に白紙の原稿用紙を前に書いては消し、書いては消しをし、何を書いてよいのかわからないまま何となく本のあらすじを書いて原稿用紙を埋める、という様式美がある。古事記にもそう書いてある。
こういう気の重い宿題は夏休みが始まると同時に片づけてしまうに限る。
浄土真宗本願寺派 西覚寺の金言を座右に置いておこう。
「明日からやろう」と
40回言うと
夏休みが終わります
とはいえ、本を読まないことには始まらない(読まずにこの宿題を片付けるというズルい方法もあるが、ここでは触れない)。
そこで、本選びについて思うところを少し述べよう。
『恐竜まみれ』 小林快次 新潮文庫
読書感想文は小説で書かなければいけない、という思い込みがあるかもしれないが、そんなことはない。自然科学の本を読んで、分かったことをレポートすれば、立派な感想文になる。本をきっかけに博物館や水族館などに実地見学に行きレポートを書けば、自由研究の宿題としても使える。
そう、化石発掘の話を読んで興味を持ち、福井の恐竜博物館に連れて行ってもらいその感想文を書けばよいのだ。(別に私は恐竜博物館の回し者ではない)
いや、やっぱり読書感想文は小説でなきゃ、でもあらすじを書くなと言われても何書いていいかわからない、というわがままさんのために、王道の書き方と負担の軽い書き方の二つを紹介しよう。
王道の書き方は、
「その本との出会い」
→「主人公がどのような困難に会い、それを克服したか」
→「自分だったらどうするだろうか、どう思うだろうか(比較の視点)」
まあ、普段から文章を書くのが苦にならない人向きだと思う。(さて、1Zのみなさん、この文の主語は?)
作文が苦手な人向けの書き方としては、
「その本の1シーンを紹介」
→「そのシーンに関連する自分の思い出(出来事プラス感想)」×(最大3つくらい)
→「まとめ(共通因数でくくる、または教訓や抱負を述べるなど)」
ようは生活作文を書けばよいのだ。「遠足に行って、○○を見学した。こんなことを学んだ。楽しかった云々。」ってぐあいに。
あ、そうだ。「本タメ」というYouTubeちゃんねるで、「読書感想文にぴったりな本を6冊紹介します」というのをやっていたので、その中から3冊、本棚にある本を紹介しておこう。
『博士の愛した数式』(小川洋子)
最初の完全数といえば6である。阪神タイガースの背番号6といえば?
「おとこ~なら い~のちかけ~て、ボールにくら~い~つけっ」和田豊選手?
「き~たえ~た そのからだ~ あ~ふれ~る~ き~はく~」金本知憲選手?
『夜は短し歩けよ乙女』(森見登美彦)
黒髪の乙女と出会い、恋をするお話。なるほど、恋バナというよりももう少し広く、人との出会い、縁について書くといい感想文が書けそう。
『人間失格』(太宰治)
ある一人の男が世の中に馴染めず自分が道化として生きてくさまが描かれる、上級者向け。生田斗真主演で映画化されたときこれを読んだ中3生の教え子(当時)は、「あまりに暗すぎて途中で読むのをやめた」と言っていた。
これを見ていたら私も3冊選んでみたくなった。本棚の中から次の3冊を挙げてみよう。
『いまさら翼といわれても』(米澤穂信)
これいいよと当時の教え子(中2)に教えてもらった『氷菓』シリーズの6冊目。本作では古典部の4人の心の機微が描かれている。
走れメロスの読書感想文のくだりが好き。
『羊と鋼の森』(宮下奈都)
あるピアノの調律師の成長物語。暖かい読後感だし、感情移入しやすそう。なお2019年映画化。山崎賢人が主人公の若き調律師を演じ少女漫画の王子様から脱したとの評だったが、キングダム見てると…(以下自粛)。
『夜のピクニック』(恩田陸)
「みんなで、夜歩く。ただそれだけのことがどうしてこんなに特別なんだろう。」別に歩かなくてもいいんだけれど、お泊りってなんだかワクワクしませんか。
それでは今日はこの辺で。
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