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dai さんの日記
2022
5月
13
(金)
17:43
本文
最後に八方尾根は黒菱(くろびし:注1)の地を踏んだのは、忘れもしない、塾の先生として滋賀に来て初めての春、フサイチパンドラの桜花賞の日だった。当日はシーズン最後のモーグルの草大会である「スーパーモーグル」(注2)の日でもあり、青空と兎平(うさぎだいら:注3)の白とのコントラストが映える、素晴らしい休日だった。
土曜夜中に極楽湯(注4)で会社の同僚を拾い守山へ。そこでみんなと集合して車を乗り合わせ、さらに途中木曽川で滋賀から岐阜に引っ越したご夫婦も乗せて、一路北アルプスは白馬へ。
モーグルで理想的とされるストックの位置と、馬を追う騎手の手綱の位置は、遠目に見てよく似ていると思う。黒菱くらいの厳しいコンディションだと、頭ではわかっていてもストックを突いたときに一緒に肘を引いてしまい、そのままバランスを崩してひっくり返ってしまう。何度か挑んで、ようやくコツをつかんだ。上から下まで通して走れるようになったのだ。
翌シーズンに右足首を痛め、また仕事がキツくなったこともあり、モーグルはそれっきり辞めてしまった。現在少なく見積もって当時よりも25㎏は体重が増えてしまった。また、当時乗っていた板は、今でも玄関横で、もう二度とやってこない出番を待ちながら壁にもたれかかっている。
『はい、泳げません』 高橋秀実 新潮文庫
滋賀に来る前は、オフシーズンに心肺機能が衰えないよう、たまに近所のプールに行き、1km程泳いだりすることもあった。25メートルプールなので、4往復もすると飽きてくるので後は惰性ではあったが。
泳げるようになったのはいつの頃だっただろう。小学4年生の時に、それまで25メートルにアップアップしていたものが、急に800メートルくらい泳げたのを覚えている。多分、疲れにくい息継ぎの仕方と、息の入れながらゆっくり泳ぐ技術を覚えたのだろう。
そんなわけで、泳げない人が泳げるようになりそうで結局泳げなかったりするこのエッセイは、非常に興味深く読んだ。身体感覚を文章にするのはいかに難しいことか。この筆者は、いとも簡単にやってのけているように見える。
では授業の時間。
私は、英語を教えることができるのであろうか。
圧倒的語彙力不足(日本語もか)を日々自覚しながらも、日々これ勉強である。
感覚を言語化して整理し、人に伝えるということはかくも難しい。
常々生徒たちに言っているように、英語は言語であるから、左から右に意味が伝達されるはずであり、(文字であれ話であれ)意味のカタマリを流れてきた順に受け取ることが出来ればよいのだ。
また、外国語であるから、(母語を獲得した時と違い)構造をアタマで理解したうえで学んだ方が上達は早いに決まっている、という信念がある。
そんなわけで、【京大クラス】の英語では、品詞→文型→時制(動詞の変化)→複雑な修飾関係(準動詞や関係詞の使い方)という順で講じていき、同時並行でリスニングや英文解釈、短文の英作文をトレーニングしていっている。
昨日は、高2クラスで使役動詞と使役っぽい意味になる動詞の使い方を学んだ。
第五文型を取りがちなこれらの動詞を見たとき、後ろに来るものが予測できているかどうかが大事、という話をした。
復習しておくと、「純正」(今思い付きで勝手にそう呼んだ。授業でそうは言っていない)使役動詞make have let はCの位置に動詞の原形(原形不定詞)を使うが、get keep leave ついでに want hope などは、Cの位置にto不定詞を使う、ということである。
(もちろん動詞の意味から考えて内容がおかしくなければ、現在分詞や過去分詞は取りうる)
それでは、今日はこの辺で。
注1:八方尾根スキー場上部にある斜度30度あまりのコブだらけのカベ。好きな斜面のひとつだったが遠すぎてめったに行けなかったこともあり、この日は最高だった。
注2:八方尾根は兎平で当時行われていた草大会。といっても男子の優勝賞金は50万円、副賞として松本空港までのANAの往復航空券と、とても豪華だった。もちろん関西で3回戦負けするへたっぴモーグラーが出られるはずもなく、ただ滋賀の仲間で観戦がてら4月の第2日曜日を満喫しに行ったのだ。
注3:黒菱の南隣りにある、これまたリフトよりはこぶだらけのゲレンデ。スーパーモーグルの会場である。
注4:極楽湯南草津店(現在は廃業)は、当時午前3時までやっていた。
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