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dai さんの日記
2022
2月
25
(金)
22:44
本文
世界がこんな風になってしまったからこそ、「その絶望が永遠に続くことはない」、今はそう思いたい。
『読書間奏文』 藤崎沙織 文春文庫
今日は国公立大学の前期入試日。狂徒大学(注1)、いや京都大学は世界がどうなろうと相変わらずで、なんだかほっとした。折田先生像に、なんらかの意味を見出そうとするのが間違いなのかもしれない。
「2月25日朝6時の京大をお届けします。」、4枚の写真とともにSNSに流れてきたメッセージ。今年の折田先生は「ぽにょ」だった。
「折田彦市先生は さかなの子として人間になることに尽力し、京大にパークパクチュキュッ!の学風を残すために多大な功績を残した人です。どうかハムをたくさんあげて下さい。」
う~ん、意味不明。
もっとも、私は20世紀末の「京大名物ヤキソバン」(注2)がいた頃にリアルタイムで在籍していた世代(歳がばれる)なので、こういう平和な意味不明さ加減は嫌いではない。
SAORIさんのエッセイ「もし僕らのことばがウイスキーであったなら」を読んでいて、ふと思い出したことがある。
自分が受験した時、入試の英作文のうちの1問は、村上春樹だった。問題文を見て、どこかで読んだことのある文章だと気付いたのだ。そして、試験が終わった時には、たぶん四月になったらこの教室で授業を受けているんだろうなと、縦長の窓から見える中庭をぼんやり眺めていた。
では授業の時間。
今週の直前講習社会ではトピックスとして次の2点を話した。
ひとつは、どこかの県立高校で出ていた次の問題をきっかけに、仏教史について簡単にレクチャー。
江戸幕府は「宗門改め」を行ったが、これと同時期に起きた出来事は次の4つのうちどれか。(選択肢省略)
なお、江戸時代はごちゃこちゃして覚えにくいという向きもあろうが、
「幕藩体制の確立と鎖国の完成→{(平和)→(飢饉)→(政治改革)}×3→ペリー」
とざっくり押さえといたらよろしい。
1回目の平和に元禄文化、2回目は田沼の政治で長崎貿易でがっぽがっぽ、三回目の平和は化政文化くらいでどうだろう(所詮、高校入試)。
もうひとつは、現代史がらみでウクライナ(本年度5回目くらいの言及)について述べるなど。ソ連は20世紀にはじまり20世紀に終わりを迎えたけど、ロシアの帝国主義は21世紀になってもまだ続いてるんよ、という話をしていたら、祝日明けに本当に始まってしまった。
学部生時代は、フランシス・フクヤマの『歴史の終わり』を無邪気に信じていたし、「パックスアメリカーナのあとは、パックスUN」なんてのんきなことを考えていた。
けれども21世紀を20年余り生きてきて実感するのは、やっぱりそんな能天気な時代じゃないらしいということである。国連の安保理(しかも議長国がロシア)の最中に、ウクライナ侵攻の第一報が入ってしまうとは。
注1:YouTubeひらいて「折田先生」で検索するとすぐ出てくる【折田先生像】京大に毎年現れては撤去される自由の象徴ww流石は狂徒大学といわれるだけあるよw【ゆっくり】。歴代の折田先生像がまとめてある。
注2:当時あった本物の折田先生の銅像が、何者かによって、日清食品やきそばUFOのCMキャラクター(当時)よろしく赤と黄色に塗られていた事件。あれは余りに品のない(主観的に見て折田先生へのリスペクトが全く感じられない)シロモノであった。その後折田先生像は当局によって図書館の地下にしまわれることとなった。現在の入試日における折田先生像祭りは、21世紀に入って始まったようである。
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