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dai さんの日記

 
2021
12月 18
(土)
23:36
トップの本棚―「ベンツ切り」その2
本文



共通テスト予想問題パックを購入し(どこのかは言わない)、理科基礎(注1)を解いてみた。物理・化学選択でやったところ、所要時間30分余りで、97点であった。


で、3点は何を間違えたかというと、「中和滴定に使用する実験器具として正しい組み合わせを選べ」である。
高校受験のイオンの問題には「こまごめピペット」で塩酸を滴下する雑な実験問題があって、最近授業でたくさん扱っていたので、つい早とちりして「ホールピペット」で滴下するシュールな中和滴定(恥)、をしてしまった(ビュレットを触ったことない文系学部出身者並みの感想)。


計算問題などは、ちっとも間違えていなかったので、何とか面目は保てたのではないかと。


『二月の勝者 12』 高瀬志保  小学館


志望校を決め過去問演習をやる時期になって、ある女子生徒のカンニングが発覚する。母親は娘に対する期待が過大で、実力を大きく超える中学の過去問をさせているようだ。過去問の答えを書店などで覚えてきて、合格者平均を上回る点数を取ってしまう。

テレビドラマではこの子の件は解決したように見える(12月11日放送分。なお、サウナのテレビでチラ見した人の感想です)が、原作では、12巻で描かれたこの件については、1月受験のはじまった最新刊(14巻)に至っても回収されていない模様。果たして彼女は第一志望の中学に進めるのか?



では、授業の時間だ。



第10回実践演習(中3対象)最終回の数学がなかなか重いセットで、心が弱っているとメンタルやられそう(平均点は32~3点といったところか)。

その中の図形で、線分比を求める問題があった。確かにあれは「角の二等分線からのメネラウス」で即答できる(図に条件を写すのに30秒、メネラウス回して答えが見えるまで30秒)。しかし私は、栗東校の中3生にメネラウスを教えていない(荷が重いと判断した)ので、このルートで解くのは無理な注文というものだ。

この手の問題について、王道の解き方は「比を移す」ことである。補助線として平行線を引き、平行線と比の定理を用いれば、求めたい線分比にたどり着くことができる(栗東校ではこの方法で解説)。

そして、「比を移す」のは、別に線分から線分に移すとは限らない。線分比から面積比に移す、というやり方もある。そしてしばしば、面積比の利用は線分比の問題を実に簡単に解決に導いてくれる(本問では、図に条件を移すのに30秒。比を三角形に書き込むのにさらに10秒ほどかかるが、そのひと手間で答えがすでに図中に書かれている!)


じつはたまたま、昨日、この問題の類題を中2数学の授業で扱っていた。

「線分の比と面積の比」(テキストp148~p149)である(注2)。

p149に載っている構図を少し発展させ、いわゆる「ベンツ切り」と言われる見え方(辺の比と三角形の面積比との関係についての見え方)まで説明し、いくつか問題演習をしていたのだ。

この見え方をマスターすると、三角形の辺の比の問題で、メネラウスの定理やチェバの定理が必要なくなる。同定理は高校の数Aに出てくる証明問題で逆を利用するくらいしか使う場面がなくなるのだ(注3)。


そんなわけで、最近私はじつは、「小中学生にチェバ・メネ不要」論者なのである。GH、大将軍で中3数学担当することがあったら一応テキストに載ってるし、「こんなのあるよ、高校の数学Aで習うよ」程度に紹介はするけども。


では、今日はこのへんで。



注1:なお、わいが現役のときは、文系なので理科は1科目でよいのにもかかわらず、いちびって生物・化学(当時は基礎科目というのは無かった)両方を受験し、どちらも80点前後(どっちつかず)で、けっこうなリソースの無駄遣いをしていたことになる。今なら物理1択やな(爆)。
↑いやだから今は基礎科目2つでええんやって。

注2:GHと大将軍の人は中2数学テキストのp159~p161を参照。P161の「学習8」みたいな問題を瞬殺できる。中3のp119~p120「学習2メネラウスの定理」「学習3チェバの定理」についても、この手の問題は同定理を使うまでもなく、比を図に書き込むだけで即答できるのである。

注3:それとて、「ベクトル使ったらええやん」で終了しそう。
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