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dai さんの日記
2021
10月
14
(木)
17:57
本文
さっそく授業の時間だ。
コロナ禍の世相を反映してか、次のような趣旨の問題が実践講座の理科で出された。
〈80.0v/v%のエタノール水溶液100mlを作るには、80.0mlのエタノールに何mlの水を加えればよいか。小数第1位まで求めなさい。(計算に必要な密度などのデータは与えられている)〉
この場で解答・解説をするつもりはないが、20.0mlではない。エタノールの水溶液では、水分子の中にエタノール分子が入り込んで、その分体積が減るからである。
計算自体は簡単なのだが、実践講座を受講した人はこのへん納得できた?よくわからなかった人はちゃんと疑問を言語化して質問できた?
中1で水溶液を学習するとき、体積の話題にはほぼ触れないので(教科書で確かめた)、よくわかっていない人は多いだろう(本問ではv/v%の定義(注1)が示されている)。水100mlとエタノール100mlを混ぜても水溶液(混合液)は200mlにならないのである。
もちろん水100gとエタノール79g(=約100ml)を混ぜれば179gにはなるけれど。
あ、どこかが出している無料動画授業(注2)で、「物質が溶けても、質量と体積は変わらない」と言っているのを見かけたけど、体積については間違いだから、要注意!
というわけで、机上の計算で申し訳ないが、次のような問題設定をして、質量と体積を計算してみた。
食塩の結晶10.0㎤(=21.6g)を水79.4㎤(=79.4g)に溶かした。質量パーセント濃度はおよそ21.6%で、食塩の溶解度から考えて(注3)何とか全部溶けるだろう。
では、この食塩水の体積は89.4㎤になるか。
手元の計算では、86.3㎤か86.4㎤くらいになることが分かった。小数点以下があいまいになっているのは、端数処理の都合である(結構雑な計算している)。
あんたが間違っているよ、というのであればぜひこっそり教えてほしい。この記事はこっそり削除するから(←こらーっ)(←一番あかんやつ)。
ついでに、食塩水の話題と言えば、方程式の応用問題(文章題)である。数学の問題では、質量パーセント濃度で計算することが暗黙のルールになっているようである(問題文中で体積のことは一切触れない)。
あれ、中学生にはいつも「ビーカー書いたら簡単やん。」って教えるけど、ある程度できる子向けの教え方なのかなあ。
そう思って、世の中の先生方はどんな教え方をしているのだろうと、いろいろ見ていたら、
「しおのしお水(とっておきの裏技?!)(本質的な意味を理解した上で見てください)」とか、
「しおわしょっぱー」とか、
軽く地獄を体験できた。
そこら中にテントウムシが飛び交っていて、代ゼミ化学の亀田先生激おこ案件(注4)であった。
だいたい本質的な意味が理解できているなら、わざわざテントウムシに直さんでも、ビーカーに書けばええやんけ。
小学生(中学受験)向けだと、面積図とかてんびん図を使うのかな?
たしかに「てんびん図」は慣れたら暗算に便利。無理に習得すべきものだとは思わないけれど…。
今日はこのへんで。
注1:v/v%とは、水溶液100ml中溶質が何ml解けているかを示す値である。溶質が液体のときによく使われる。消毒用のエタノールは76~81v/v%が適当とされる。
注2:YouTubeで11万回以上再生されているので、影響力を考えるとこれはまずいのではないかと思う。ここは「無理数」でもやらかしているし。
注3:「食塩を20℃の水に溶かしたとき、飽和水溶液の質量パーセント濃度を小数第1位まで求めなさい(溶解度は36とする)。」を出題すると、上位層でも結構間違う(36%とか書きがち)。
注4:YouTubeで、「化学 亀田 はじき」を検索してみよう。面白いものが見られる。一緒に出てくる算数ソムリエ先生の速さの動画も見てみよう。勉強になる。
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