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dai さんの日記
2021
7月
14
(水)
18:10
本文
「数学Ⅲにはそれまでに張り巡らされた伏線をどんどん回収していく面白さがある。」ある関東の方の中高一貫校(レベルは相当高そう)の数学の先生の言である。
蓋し同感である。
でも私はどこまで伏線を張り、それを回収することができているだろうか。日々反省と研究である。
中3で、2次方程式を習う。( )²を作ったり因数分解を使えば解くことができるのだが、「解の公式」なんていうのもある。いわゆる「ゆとり」の頃に一度教科書から消えたが、現行課程ではこれを当たり前のように教えることになっている。
数年前、いやもう10年近く前になるかもしれない、記憶があいまいであるが、膳所高校の特色入試に二次方程式の解の公式を導け、という問題が出た。
当時は「膳所行くような子なら、できて当たり前」(もっとも実際できる人はそんなに多くない)と思っていたのだ。でも、今年の灘高校の二重根号の問題(見る人が見れば出題の意図は明白)の解説を考えていて、あるいは高校1年生に2次関数を教えるということになって改めて考えてみると、かなり上位レベルのよく見えている子がかえって悩むポイントがあるのではないかと思うようになった。
ax²+bx+c=0
平方完成すればいいのだが、そのあと両辺の2乗をはずすときに分母の
4a²
はだまって
2a
としてよいかの問題である。
a<0
なら
-2a
になるんとちゃうの?問題である。
いやそこは分子に±(プラスマイナス)が出てくるから問題ないんとちゃうと言われればそれまでかもしれないが、そこは厳密に議論した方がよいのでは?
と悩んでみたり。
もっとも当時の特色問題もそこは要求していなかったのではないか、と思われる。
2次方程式がらみの話題をもう1つ。
「2次方程式の解の公式は1次方程式を解いてくれない問題」(定期)
a≠0って断っているからよいとして、aが0みたいな数(?)だったら何とかならないか、というアイディアである。
数Ⅲで極限を習えば出てくる基本的な計算技術の一つ
「有理化は分母にするとは限らない」
で、おもしろい結果が得られる。a≠0で話をしている以上、ただ数式を玩んでいるに過ぎないのかもしれないが(極限計算は「0に限りなく近づける」であって「0ではない」から分母分子を「0らしきもの」で約分することができるのだ)。
最後に、おもしろいアプリを一つ紹介。
「Wallprime(ワルプライム)」
数字の書かれた壁が次々迫ってくるので、それを素因数のパンチを繰り出して壊してゆくだけの簡単なお仕事である。
たとえば「15」が迫ってくるので「3」と「5」のボタンを1回ずつ、パンチボタンを1回押すと壁が壊れて次に進める。時間内(60秒?それとも90秒?)にいくつ壁をこわすことができるかというものである。
上の例では「3」を押してパンチすれば3点、「5」を押してパンチすれば5点、「3」と「5」の両方を押してからパンチすれば(つまり一度に素因数分解できれば)8点+ボーナスが入る。お手付きは-5点と制限時間が1秒減らされる。
「テトリス」や「ぷよぷよ」のような中毒性があるので、ご利用はほどほどに。ただしゲーム脳になるとかいう言説は認めない(わたしは「ゲーム脳」は似非科学と考えている)。
ある種の計算力がつくのは間違いない。√の計算とかめっちゃ得意になりそう。
Easyモードなら 2,3,5
Normalモードなら2,3,5,7
Hardモードなら2,3,5,7,11,13
Expertモードなら2,3,5,7,11,13,17,19,23
その上に
Insaneモードがあるけど文字通り頭おかしい。
ためしにやってみたら
63070
ときて、心が折られそうになりながらやっとの思いで壁を壊したら次に
246636
が迫ってきて3を押したところで時間切れ。
もう一回やってみたら
1349950
ときて、倒したら
100518740
がきてゲームオーバー。
これがNormalモードならほとんどが2桁で、たまに
392
とか
343
とかやってくるくらい。
7月の実力テストで簡単な3桁の素因数分解を間違えた中1の(数学ニガテ)さんは、ここ1週間でNormalモードで1300点越えをたたき出すまでに。アプリの存在に私が後1週間早く気づいていればなあ。
Hardモードで
9009
とかきて、
3,3,7,11,13
と一発クリアしても
「ばよえーん」(注1)
なんて言ってくれないけど、
まあいいや。
私にはこれくらいが頭の体操にちょうど良さそう。
注1:「ぷよぷよ」で5連鎖だか6連鎖だかすると出る掛け声。
蓋し同感である。
でも私はどこまで伏線を張り、それを回収することができているだろうか。日々反省と研究である。
中3で、2次方程式を習う。( )²を作ったり因数分解を使えば解くことができるのだが、「解の公式」なんていうのもある。いわゆる「ゆとり」の頃に一度教科書から消えたが、現行課程ではこれを当たり前のように教えることになっている。
数年前、いやもう10年近く前になるかもしれない、記憶があいまいであるが、膳所高校の特色入試に二次方程式の解の公式を導け、という問題が出た。
当時は「膳所行くような子なら、できて当たり前」(もっとも実際できる人はそんなに多くない)と思っていたのだ。でも、今年の灘高校の二重根号の問題(見る人が見れば出題の意図は明白)の解説を考えていて、あるいは高校1年生に2次関数を教えるということになって改めて考えてみると、かなり上位レベルのよく見えている子がかえって悩むポイントがあるのではないかと思うようになった。
ax²+bx+c=0
平方完成すればいいのだが、そのあと両辺の2乗をはずすときに分母の
4a²
はだまって
2a
としてよいかの問題である。
a<0
なら
-2a
になるんとちゃうの?問題である。
いやそこは分子に±(プラスマイナス)が出てくるから問題ないんとちゃうと言われればそれまでかもしれないが、そこは厳密に議論した方がよいのでは?
と悩んでみたり。
もっとも当時の特色問題もそこは要求していなかったのではないか、と思われる。
2次方程式がらみの話題をもう1つ。
「2次方程式の解の公式は1次方程式を解いてくれない問題」(定期)
a≠0って断っているからよいとして、aが0みたいな数(?)だったら何とかならないか、というアイディアである。
数Ⅲで極限を習えば出てくる基本的な計算技術の一つ
「有理化は分母にするとは限らない」
で、おもしろい結果が得られる。a≠0で話をしている以上、ただ数式を玩んでいるに過ぎないのかもしれないが(極限計算は「0に限りなく近づける」であって「0ではない」から分母分子を「0らしきもの」で約分することができるのだ)。
最後に、おもしろいアプリを一つ紹介。
「Wallprime(ワルプライム)」
数字の書かれた壁が次々迫ってくるので、それを素因数のパンチを繰り出して壊してゆくだけの簡単なお仕事である。
たとえば「15」が迫ってくるので「3」と「5」のボタンを1回ずつ、パンチボタンを1回押すと壁が壊れて次に進める。時間内(60秒?それとも90秒?)にいくつ壁をこわすことができるかというものである。
上の例では「3」を押してパンチすれば3点、「5」を押してパンチすれば5点、「3」と「5」の両方を押してからパンチすれば(つまり一度に素因数分解できれば)8点+ボーナスが入る。お手付きは-5点と制限時間が1秒減らされる。
「テトリス」や「ぷよぷよ」のような中毒性があるので、ご利用はほどほどに。ただしゲーム脳になるとかいう言説は認めない(わたしは「ゲーム脳」は似非科学と考えている)。
ある種の計算力がつくのは間違いない。√の計算とかめっちゃ得意になりそう。
Easyモードなら 2,3,5
Normalモードなら2,3,5,7
Hardモードなら2,3,5,7,11,13
Expertモードなら2,3,5,7,11,13,17,19,23
その上に
Insaneモードがあるけど文字通り頭おかしい。
ためしにやってみたら
63070
ときて、心が折られそうになりながらやっとの思いで壁を壊したら次に
246636
が迫ってきて3を押したところで時間切れ。
もう一回やってみたら
1349950
ときて、倒したら
100518740
がきてゲームオーバー。
これがNormalモードならほとんどが2桁で、たまに
392
とか
343
とかやってくるくらい。
7月の実力テストで簡単な3桁の素因数分解を間違えた中1の(数学ニガテ)さんは、ここ1週間でNormalモードで1300点越えをたたき出すまでに。アプリの存在に私が後1週間早く気づいていればなあ。
Hardモードで
9009
とかきて、
3,3,7,11,13
と一発クリアしても
「ばよえーん」(注1)
なんて言ってくれないけど、
まあいいや。
私にはこれくらいが頭の体操にちょうど良さそう。
注1:「ぷよぷよ」で5連鎖だか6連鎖だかすると出る掛け声。
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